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今が「思い出」になる

田舎に生まれて、田舎に住んでおきながら、田舎っぽいことがあんまり好きじゃない僕ですが、稲植え前の水を張った田んぼはなんか好きです。(つまり今頃)

「かえるのたまご」「ほうねんえび」「ざりがに」「さんしょううお」など、子どものころ、音でしか認識していなかった生き物たちを今になってもう一度改めて見ると癒される。

なんか可愛い。

そんな中「かえる」といえば、2つの思い出があって、**1つは金色のカエルを飼っていたことがあること。 **

弟が見つけて、僕ら兄弟で大切に飼っていたんだけど、水換えか何かのタイミングで田んぼの中に逃げちゃって、あんまり泣いたりしない弟が半泣きになりながら稲を倒して田んぼの中心地まで行って探したけど見つからなかった。

そのあとすごく農家さんには怒られた(とうぜんだ)けど、それよりも金色のカエルがいなくなったことの方が悲しかったのを覚えてる。


**もう1つは、ある夏大量発生した「かえる」を小学校で飼っていて、そこでの弱肉強食によりめちゃくちゃ強い5匹の「かえる」が生まれたこと。 **

大量発生といっても数十匹ではな、数百匹のはなし。

それらを一つの水槽(おおきめだけど)で飼っていたから、ちょっとなかなか、うん、すごかった。小学生は残酷だ。

まるで蠱毒の精製方法のような密度感で育って、群雄割拠のうちに生き残った5匹は、その後すっごい生きた。

ほとんど餌とかあげてなかったのに強く生きてくれた。


良い悪いはともかくそんな思い出。


「水を張った田んぼ」を見ただけで、そんな2つの思い出が頭に浮かんで来た。

これってすごく幸せなことだなと思う。

そういう体験とそこから生じた思い出というものが20年ほど経ったあとに浮かんでくる。

ここからさらに20年後、「今」を思い出せるように生きていきたいなと思いました。

おあとがよろしいようで。

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やまだくにあき
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