Haru

ラッコとカフェと花が好きです。 書き物をします。小説のほか、旅の記録や日々のことなど。とりとめもなく。徒然なるままに。 余白を楽しむ。

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ラッコとカフェと花が好きです。 書き物をします。小説のほか、旅の記録や日々のことなど。とりとめもなく。徒然なるままに。 余白を楽しむ。

最近の記事

噛み締める日常という味

 私が印象深く記憶に残っているごはんは、デニーズというファミリーレストランの期間限定のメニューであった鯵の丼だ。  その年、今から3年ほど前のこと。母が乳腺外科に行き生検を受けることとなった。というのも、胸の痛みがあり本人が自らの意思で受診した結果、一度生検を受けた方がいいということにまとまったらしい。  私はまだ二十代後半に差し掛かる頃の年齢で、特別身体のことにさほど興味関心がなかった。それよりも働くことに精一杯で、家族がどういう状況にあるのかを理解することから、ほんの少し

    • 『花束みたいな恋をした』

      映画館で観た時、胸の辺りがキュッと苦しくなった。似た者同士だと思っていた2人がどんどんすれ違い、仕事と生活そして追い求めていた終着点が違った時、恋は呆気なくもあたたかな終わりを迎える。 生活、というものは本当に平坦に見えてしまい、いつもと変わらない普遍性を感じてしまう。ところが一旦別れを決めたことで、過去を顧みてしまうと、あの頃は良かったな、あの時何かがひとつでも違っていたら2人で一緒にいられたのかな、とか。そんな風に考えてしまう。相手が悪人だろうと善人であろうと、恋をしてい

      • 謹賀新年

        あけましておめでとうございます。 あっという間に年越ししてしまい、仕事納めも大晦日の前日だったので、全然年末年始を過ごしているなあという感覚がありません。笑 昨年は新卒採用で入社し、ずっと働いてきた会社を辞めた、一区切りついた年でもありました。自分としては得るものが多く、そして失うことも多少なりともありましたが、新しい会社で働き出せたのは良かったかなあ、というところです。 ただ、やっぱりね〜〜〜合う合わないはあるなあとしみじみ感じてます。今年は、これから先の長い時間を見越し

        • +8

          鳥羽水族館のラッコ

          29歳、人間ドックを受ける。

           高校生、大学生の頃まではそこまで健康に興味関心がなかった。若いというものは時にとても恐ろしいまでに、自己の身体能力を過信することがあるように思う。いや、これは私だけに限った感覚なのかもしれないが……。  風邪を引いても、インフルエンザに罹ろうとも、まぁ寝て水分摂ってれば治るだろう。身体がなんとかしてくれるさ、という肉体からしてみれば非常に勝手であり迷惑な話である。  楽観的な私が、健康に興味を持つようになったのは、小林麻央さんの存在が大きい。乳がんを患い、闘病している姿をブ

          29歳、人間ドックを受ける。

          平将門公所縁の地

          坂東武士。坂東。と聞いて私が真っ先に思い出すのは平将門公だ。平将門といえば様々な伝説が今なお残り、人々からの想いを集めている。 私が平将門公に猛烈な興味を抱いたのは、現在放送されている大河ドラマがきっかけだった。前々から名前は勿論知っており、日本の歴史に於いても名を残している人物。けれどもこれまでしっかりと学んだ事がないという事実に気が付き、これを機に!と思ったわけである。 平将門といえば、所謂、日本三大怨霊と呼ばれることもあるが、個人的には共感は出来ない。 と、いうのも平将

          平将門公所縁の地

          アドベンチャーワールドと鳥たち。

           2021年、私は生まれて初めて、アドベンチャーワールドへ行った。というのも、アドベンチャーワールド主催の、休園日に園内で写真撮影ができるという、夢のようなイベントがあり、そちらに参加したのだ。  アドベンチャーワールドは和歌山県にある。東京からだと、羽田空港から2時間掛からない程度で行くことが出来る。(詳しくはアドベンチャーワールド公式サイトをご確認願いたい。)  このイベントでは様々な動物たちを、普段は中々入ることが出来ない場所や、とても近い距離から撮影ができ、写真を撮

          アドベンチャーワールドと鳥たち。

          ヒーローにヒロイン

           気にしたって無駄なことが、世の中には腐るほどあるっていうこと、分かりきっている筈なのに、私は馬鹿みたいに気にしてしまう。人の感情、言葉、笑い方、目の奥にある真意。  探ろうとして考え込んで、気が付いたら、いつの間にかみんなの輪の中から外れていく。  待って、まって置いていかないで。手を伸ばしながら懸命に走り続けていっても、どんどんと距離ばかりができていった。  みんなの背中が、肉眼では見えなくなった頃、心にはぽっかりと大きな穴が空いたまんま。塞ぎ方もよく知らないから、一人で

          ヒーローにヒロイン

          Riro

          念願叶って11月下旬、私は福岡県に行くことができた。今回の旅の目的は、マリンワールド海の中道だった。国内で会える、唯一の雄のラッコ、リロくんが居るからだ。 羽田から福岡まで飛行機で向かい、福岡空港からまずは祇園で降りた。というのも宿泊するホテルの最寄駅が祇園だったからだ。ホテルで荷物を預かってもらい、そのままマリンワールド海の中道へ直行した。 この日は随分と間が抜けていて、まず飛行機の座席で隣から間違えていることを教えてもらえた。大変情けなく恥ずかしくもあったが、おしえて

          1st

          神田沙也加さんが亡くなった。私が彼女の存在を認識したのは、そこまで昔のことではなかった。こんな冬の寒い日に、痛かっただろう、苦しかっただろう。いろいろな悲しみが湧いては消え、そして沈んでいった。 彼女の私生活は知らない。彼女は芸能人で、私は単なる一般庶民だ。きらびやかな世界に、不特定多数の大衆の前に立ち、演者として、歌姫として、全身全霊で取り組んでいたであろう彼女。私は神田沙也加さんが出演していたミュージカルを一作品でも観に行けばよかったと心の底から悔いている。彼女の生の歌

          kirakira

          前回の記事ではキラちゃんのことを書いたつもりだったが、読み返してみると案外メイちゃんばかりになっていたので、今度こそキラちゃんを…!笑 私がラッコにハマったのはお恥ずかしい話、今年なのです。きっかけはYouTube。メイちゃんの動画を見て、絶対に会いに行こう!!!と心に決めた。 そして次に絶望が待っていた。結構同じショックを受けた方がいるのではないかと思っているのだが、ラッコを現在でも飼育している水族館がたったの二館しかないという事実だ。厳密にいえば、三館なのだが、一般客

          kirakira

          Kirameiteru

          鳥羽水族館には現在ラッコが二頭いる。ちなみにラッコの国内飼育数は四頭(2021年11月時点)であり、そのうちの三頭のみが一般客に向けて展示されている。スマスイ(神戸市立須磨海浜水族園)の明日花ちゃんは、現在鴨川シーワールドにお引越し中であり、一般客には展示されていない。 SNSを通じて、所謂バズっているのが、鳥羽水族館にいるメイちゃんだ。色々な姿を見せてくれる。私は、芸達者と表現することに抵抗があるので敢えてメイちゃんをそうとは言わない。水族館にいることは、本来のラッコの生

          Kirameiteru