Kirameiteru
鳥羽水族館には現在ラッコが二頭いる。ちなみにラッコの国内飼育数は四頭(2021年11月時点)であり、そのうちの三頭のみが一般客に向けて展示されている。スマスイ(神戸市立須磨海浜水族園)の明日花ちゃんは、現在鴨川シーワールドにお引越し中であり、一般客には展示されていない。
SNSを通じて、所謂バズっているのが、鳥羽水族館にいるメイちゃんだ。色々な姿を見せてくれる。私は、芸達者と表現することに抵抗があるので敢えてメイちゃんをそうとは言わない。水族館にいることは、本来のラッコの生活とは異なる。人間に飼育され、餌を貰い、日々の刺激となることをして、そうして決められた範囲内のプールで泳ぐことを、生まれた時から行っている。そこに、なんとなあく、寂しさや虚しさに似た感情を覚えることもあるが、私はメイちゃんが水族館にいても幸せであることを心の底から願っている。だから、飼育員さんや水族館の方、施設自体にも、どうかメイちゃんを、そしてキラちゃんを、今いる生きものたちをずっと守ってあげてくださいと願わずにはいられないのだ。
と、ここまでメイちゃんにフィーチャーしてしまったが、前述のとおり鳥羽水族館にはメイちゃんだけではなく、和歌山県のアドベンチャーワールドからお引越しをしてきてくれた、キラちゃんがいるのだ。国内で二頭のラッコを見られるのは鳥羽水族館だけとなった。とても貴重な場だと思う。
キラちゃんはおっとりとした性格のようで、メイちゃんから多々餌を取られてしまっても、?といった様子で特別獰猛になることもない。メイちゃんは敏感で怖がり、だけどキラちゃんにはちょっとジャイアンになってしまうというギャップもある。
写真の左がメイちゃん、右がキラちゃんだ。ラッコは年齢を重ねるごとに毛が白くなっていく。メイちゃんも今年でもう17歳。人間でいうとJKだが、ラッコの年齢でいうと中々に歳をとっていることになる。ラッコは面白いもので、個体ごとに顔が結構違う。見分けるのは簡単、かと思いきや、泳いでいる最中はこれが難しい。そしてイメージでは、ぷかぷかとゆったり泳いで貝を石で割っているように思われているが、実際にラッコ達を見るとそんなことはない。泳ぐのは速いし、動きも全然落ち着いてはいない。プール全体を使って泳ぎ、水の中では探す行為をしたりする。探す行為の詳細は、鳥羽水族館の飼育日記に書かれているので、是非探してもらいたい。
それからなんといってもキラちゃんの氷を食べているところはすごく可愛い!鳥羽水族館に行った際は、キラちゃんの氷を食べているところを見てもらたい。キラちゃんはイカと氷が好きで、エビやカニはまだまだ頑張って食べられるようにしているところ。鳥羽水族館ではイカミミジャンプといって、ガラス面にイカを投げて張り付けそれをラッコたちが取る運動がある。これにもラッコそれぞれによって、取れる高さが異なる。キラちゃんの頑張っている姿を見ると、こちらも自然と応援したくなるし、笑顔になってしまう。高過ぎると判断すると、取らずにメイちゃんに譲ることもあり、この二頭はすごくバランスが取れている性格なのかもしれない。
メイちゃんはすごく可愛い。キラちゃんはすごく可愛い。二頭ともに本当に愛らしく、そして輝かしいいのちを見せてくれている。私達は水族館側へチケット代を支払い、そして生きもののいのちを見せてもらっている。その意識をしっかりと持ち、元気に生きていてくれる水族館の生きものを愛でていければいいなと思う。
キラちゃんにはお兄ちゃんがおり、福岡県のマリンワールド海の中道に居るのだが、お兄ちゃんについてはまた今度。ここに綴りたいと思う。
元気でいてね。幸せで居てね。(左 メイちゃん、右 キラちゃん)