美人の代名詞シャクヤク
初夏を代表する花の1つ、シャクヤク(芍薬)。
芍薬は昔から、美人の代名詞として使われてきました。「立てば芍薬、座れば牡丹」という言葉があるように、牡丹と並んで大きな美しさを漂わせ、豪華な花を咲かせます。
お花屋さんでは英名の「ピオニー Peony」として売られていることもあります。
シベリア、中国、モンゴルなどが原産地で、平安時代以前に中国から薬草として伝えられました。
現在でも漢方では有名な生薬のひとつです。
根には炎症、鎮痛、止血効果があり、葛根湯などの漢方薬にも配合されています。また芍薬甘草湯など、芍薬の名前がつけられた漢方薬もあります。
鑑賞用としては、品種改良が盛んに行われ、多種多様な品種が生まれました。
「立てば芍薬」というのは、60cm程の長い茎がスラリとまっすぐに伸び、その先に10〜15cmほどにもなる豪華な美しい花を咲かせることから由来しています。
花色は赤や、ピンクのほかに紫、白、黄色などがあり、咲き方も一重咲き、八重咲き、翁咲きなどバリエーション豊富です。
*花言葉は
「恥じらい」「謙遜」
夕方になると花を閉じてしまうことから、はにかみ屋の妖精がこの中に隠れたは花ごと赤くなったというイギリスの民話が由来となっています
*白い芍薬の花言葉は
「幸せな結婚」
と、いうことで結婚式に使われることも多い花です。
芍薬と牡丹の違い
芍薬の花と似ているのが、牡丹です。
芍薬と、牡丹の違いがよくわからない!と言う方も多いかも知れません。
根本的な違いは、芍薬は「草」で、牡丹は「木」ということ。
牡丹は冬も枝が残る落葉低木なのに対して。
芍薬は、冬になると、地上部が枯れ残った根っこの状態で冬を過ごす、宿根草なのです。
では、見た目にはどう違うの?と言うと、
まず葉っぱの形が違います。
芍薬の葉にはツヤがあり切れ込みが入っていません。牡丹の葉にはツヤがなく、ギザギザの切れ込みが入っています。
散り方にも違いがあります。
芍薬は、花な頭ごと落ちるのですが、牡丹は、花びらが1枚ずつ散っていきます。
香りは?というと、芍薬はバラのような香りがあるのに対して、牡丹はほとんどの品種で香りがありません。
芍薬とボタンの見分け方がわかると、お散歩するのも、より一層楽しくなるかもしれませんね。