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GABAたっぷり!蔵人が醸す『酔い薬』熊澤酒造初の発芽玄米酒

こんにちは、初めまして!

熊澤酒造で働き始めて3年目に突入した湘南唯一の女性蔵人、みそらです。普段は酒母を担当しており、主に分析をしています。


この度、私が造った天青河童の発芽玄米酒が販売されることになりました。

栄養満点、GABAがたくさん発芽玄米酒

このお酒は私が日本酒造りに携わってから、初めて企画が採用され、米を育て、仕込み、発売まで辿り着いた、気合の一本です。


🌾天青河童の発芽玄米酒 全麹仕込み

そもそも発芽玄米酒ってなんだ?と思った方が多いと思います。。

普通日本酒を造る際、お米を削ります。沢山削れば、大吟醸そんな感じです。

しかしこのお酒は、お米を一切削っていません!
玄米をそのまま使いました。

味わいは全麹仕込みにしたことで麹由来の優しい甘味が全体のバランスをとっています。

また、今回のお酒は私が稲から育てた雄町という種類のお米を使用しました。
雄町らしい旨味と共に、玄米の芳醇な香りを程よく楽しめます。
完熟した果実のようなフルーティさもあり発芽玄米からできたお酒とは思えない味わいに仕上がっています。

また発芽玄米を使用したことにより、GABAという成分がたくさん!
多分日本一入ってるかも…
健康にも良いスーパー酒を醸造してしまいました!


さてそんなお酒なのですが
「なぜ発芽玄米なの?」「どうやって造ったの?」「GABA酒って?!」

そんな造りのストーリー・私の四苦八苦を米造りのまで遡ってお伝えします!


🌾米作り〜暑さ対策は万全に〜

日本酒作りは寒い時期に行います。仕込みのない5月から10月にかけて何をするのかというと…

私たちはお米造りを行っています。

昨年より、熊澤酒蔵では酒米プロジェクトと称し、私たちが醸すお酒の酒米は全部、自分たちで育てよう!とういう企画の元、今年は五百万石、雄町を育てました。

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米作りといえば田植えのイメージが1番強いですが、その前にも後にも様々な準備があり、とにかく大変!!!

今年はその一連の流れを経験したのですが…春から夏にかけての作業だったこともあり暑い暑い暑い‼︎
また慣れないことがほとんどでクタクタに疲れ切っていたのを思い出します。

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アンバサダーの方、社員総出で田植え!


🌾玄米にした理由〜磨きたくない〜

すくすく育った稲は風に吹かれて収穫時期を待っています。

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これだけ大きく育った米を磨いてしまうなんてもったいない‼︎
いままで沢山磨いてきたのに、自分の造るお酒だと急に可哀そうに思えて…
どうにか磨くのを最小限にしたい…。

そんなこんなで収穫まで辿り着き、できた米を見た時、ふと幼い頃に玄米を食べてたことを思い出しました。

正直、その頃は玄米が苦手で、栄養があるとわかっていても箸が進まなかったことを覚えています。(今は米を選択できる飲食店では好んで玄米食べちゃう笑)


しかしそれがヒントとなり、「磨がなくてもいいじゃん!」

ということで「栄養満点の玄米のお酒を作る!」と心に決めました。

正直飲んで美味しいお酒になるか不安がありつつも蔵人チャレンジにて提案したところ、なんと醸造が決定しました!!!

ちなみに蔵人チャレンジとは…

「熊澤酒造社員がものづくり精神を発揮するステージでもある蔵人チャレンジは6年前からスタート。
通常では醸造することのない新しいお酒を、選ばれし若手職人が考案し醸造することで、蔵に活気を与えている。
上手くいけば商品化にも繋がる蔵人チャレンジのお酒は、ものづくりの発信源となり、地域の豊かさ育み、蔵元文化を継承していく。」

という企画です!


🌾全てにおいて熊澤酒造初〜蔵人が醸す酔い薬〜


このお酒が提案し採用されたとはいえ、まず麹が作れるのか、作れても糖化してアルコール発酵するのか、美味しく作れるのか…などなど問題点がたくさんありました。


玄米麹は売られているため作れるは作れる。低精白のお酒は様々な蔵元が出していますが、玄米をお酒にしている蔵元は少ない…その中でも寺田本家さんのむすひや土田酒造さんのTsutida 99など似たお酒を試飲し、イメージを膨らませました。

玄米には皮があるため、麹菌をどう食い込ませるかが問題でした。

そこでヒントになったのが、寺田本家さんのむすひです。玄米を発芽させることで、麹菌が食い込んでいくのではないかと思い、いざ実験!

初めは手に収まるくらいの米の量で徐々に量を増やし、浸漬時間や蒸し時間、麹菌の量を増やしたり…

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こうして出来上がった麹は、見た目も可愛く精米した米の麹にはない香ばしい香りがあり、嗅いだ時はほっこり🤲🏻

試行錯誤の末、これで行ける‼︎と思える発芽玄米麹を作ることが完成し、ついに仕込み!!!

🌾いざ仕込み〜BK-5  強し〜


仕込みは、全麹仕込みで酒母を立てず二段仕込みで行いました。

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仕込みは順調に進みましたが、もろみ後期に発酵が落ち着く温度帯で管理しても怖いくらいしっかりと発酵していたことに自社酵母であるBK-5の発酵力に改めて驚かされました。

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そして、日本酒度やアルコール度数など、目標数値に近づいたところで、毎日分析試飲し、上槽のタイミングを見計らって上槽の時を待ちました。

この上槽が今回の醸造で1番大変だったことです。


まずホースに詰まる、ヘッドタンクに詰まる薮田の入り口で詰まる…
詰まる🌀詰まる🌀詰まる🌀詰まる🌀


原因は玄米のあのつぶつぶがそのまま残っていたこと…予想していたんです、しかし予想以上に詰まりが重傷で、心が折れかけました…(いや、折れてた)


長時間もろみと葛藤し、涙ながらになんとか無事しぼり終えました。


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しかし出てきたお酒をみると折れかけた(折れてた)心も元通り‼︎
夕張メロンのような光沢のある色で、本当に玄米からできたお酒かと疑うほど綺麗でした✨


もう感動でした!!

ついに私のお酒が出来上がったと思うと嬉しい気持ちや不安、夢のような感覚でなんとも言えない気持ちだったのを思い出します。

このお酒は、もったいないと思う気持ちと玄米の栄養素を最大限に活かしたい思いで出来きました。そして何より沢山の周りの方のフォローがあって醸造することができました。
感謝します!ありがとうございます!


🌾栄養満点、発芽玄米のGABAパワー!!


発芽玄米を使ってよかったことがあります。

玄米は栄養素がたくさん含まれていることはみなさんご存知でしょう。
では発芽玄米と何が違うのかというと、発芽玄米にはGABA(γアミノ酪酸)という成分が豊富に含まれていることです。


体内に普段から存在しているアミノ酸の一つで体内でも作られますが、疲労やストレスを感じると大量に消耗してしまうため、GABAが入ったチョコレートや飴が売られているほど、食事から直接摂取することは非常に重要なことだそうです。

GABAを売りにしているお酒もある中で、このお酒にはどれくらい含まれるのか気になりませんか???
今回、特別に日本食品分析センターにて、分析試験していただいたところ…

なんとなんとなんと!!!!!!
42㎎/100g含まれることが分かりました😲
と言われても私もサッパリわからなかったので↓↓↓
成人1日の推奨量 30㎎~100㎎ 
だそうです。

コロナ禍ということもあり、今まで以上にストレスを感じやすくなっている方が多いと思います。GABAは、リラックス効果ストレス緩和が期待できるため、普段お酒を飲まない方にもこの発芽玄米の栄養素をお酒として楽しんでいただける一杯です。

そんなんで、健康にも良いスーパー酒ということで酔い薬と名付けでみました!


食中酒としてだけではなく、ホッと一息つきたい時に飲んでリラックスしていただけたら幸いです。

🌾最後に

最初にもお伝えしましたが、このお酒は私が日本酒造りに携わってから、初めて企画が採用され、米を育て、仕込み、発売まで辿り着いた、気合の一本です。

数量限定醸造のため、次はいつ出逢えるかわからない幻になるかもしれないお酒です。

販売スタートの2022年4月9日(土)は、地下室にて店舗販売も行いますので、ぜひお楽しみください☆☆☆


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