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わたし日本語教師なんです

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日本語教師としての悩みや気づきについて書いたnoteのまとめです。
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記事一覧

1年ぶりに大学院のキャンパスに行った中国在住日本語教師である私のお話

今日は久しぶりに市内にある大学院に行きました。 そこは「大学城」と呼ばれるエリアで、4つの大学のキャンパスが同じ場所に集まっています。 同じ市内の別の場所にある深圳大学の敷地も相当広いですが、今日訪れたキャンパスも自転車が欲しくなるほどの広さでした。 さて今年度、日本文化と初級日本語のクラスが後期に設定されることになり、今年も非常勤講師として雇われることになりました。 週に2時間だけ、テストを含めても16回の授業しかありませんが、開店休業状態だったわたしにとっては大変

在中国日本語教師のわたしが仕事の予定変更に取り組んだ話

今日から来週の水曜日まで本格的な春節休みとしました。 それに伴い、日本語を教える仕事もお休み。 次の授業は来週の木曜日の90分授業で、金曜日から本格的に再開となります。 さて・・・私の勤務先では、週に35時間以上の授業ができるようスケジュールを確保することが求められています。 しかし、時間を空けておいたからといって、そのすべてに授業が入るわけではありません。 実際、去年の11月からは週45時間の授業が可能な状態にしましたが、実際に稼働できたのは週10時間程度。 そ

帰省しない中国人に驚き!春節でも普通に日本語を学ぶ人に会ったお話

今日は中国の大晦日ですが、2時間授業の申し込みがありましたので、教室にてお仕事をしました。 そして、それぞれの学習者さんに「次回はいつ授業にしましょうか?」と聞くと、ひとりは木曜日、もうひとりは金曜日に申し込みたいと言います。 つまり日本で言うならば、正月2日と3日に授業をしたいということです。 今回の学習者さんはお二人とも経営者で、春節でも故郷に帰らないと言います。 また、春節だからといって普段のペースを崩したくないそうなので、わたしが気にしないなら正月休みの間でも

1日7時間授業したら動けなくなった件

日本語のお仕事、開店休業とか言っていたのですが、今日は7時間も授業が入ってました。 弊社のシステムですと、お客さまが予約を入れた場合、お断りできないので仕方なく授業を行うことに・・・ 結果、大失敗でした。 わたしは授業には全力投球ですが、7時間も話し続けると流石に燃え尽きてしまいました。 しかも夜は別件の会議があり、中国語でしゃべり続ける必要もあり疲労困憊 note も書かなくてはと思っていたのですが、何を書いたら良いのかわからず困っているくらいです。 すでに半世

12月31日に「良いお年を」とは言わないの?日本人のマナーについて思ったこと

毎週土曜日の午後に日本文化講座の講師をしています。 テーマは様々です。 奈良時代から江戸時代までを10回ほどにわけて説明したり、日本の食文化について説明したりしました。 また日本語教室ですので旅行で使える日本語などを練習することもあります。 そして今日のテーマは年末年始の挨拶です。 その準備をしていると「良いお年を」という挨拶は12月31日にはしないという記事を多数見つけました。 どの記事も同じような内容ですが、残念なことに出典などの根拠が書かれていないので本当か

日本語教師で中国語学習者でもあるわたしが思う言語の限界と現実のお話

多言語によるコミュニケーションって本当に難しいです。 外国語ができれば、外国の人と意思を通わせられると思っている時期もありました。 しかし、中国語がそれなりにできるようになって実現できたのは、相手の話していることを理解できるだけでした。 そして、相手の話していることを理解できることと、相手を理解できることの間に大きな隔たりがあると感じるようになりました。 そもそも、日本語母語者どうしでも相手をまったく理解できないこともあるのです。 それで言語習得すれば、言葉を理解で

言語学習と文化の壁:似ている違いをどう受け入れれば良いのかと思った件

第二言語を習得する際に、第一言語と第二言語が近ければ近いほど習得が容易だそうです。 例えば、スペイン語とポルトガル語は異なる言語ですが、構造が似ているため、意思疎通がしやすく、習得も比較的容易だと言われています。 日本語は似ている言語が少ないようですが、それでも韓国語との相性は良いようです。文法も似ていると韓国人が言っていました。 しかし、似ているからこそ抜けきれない癖のようなものが生じます。 例えば、中国語の「的」と日本語の助詞「の」は似ているので、ほとんどの場合互

「中国語訛ってるよね」と言われた日本語教師が考えた理想の日本語教師像について

先日、台湾人に「あなた日本人でしょ。発音に癖があるからすぐわかる〜」と言われたことを書きました。 詳しくは note を読んで頂けると嬉しいでのすが、三行でまとめておきます 初対面の台湾人から突然「あなた日本人でしょ。発音に癖があるからすぐわかる〜」と言われる。 その対応を失礼だと感じた自分は「気分悪いなぁ〜 初対面の人にお前の中国語訛ってるて言われちゃったよ」と言ってしまう。 敏感な自分にちょいと罪悪感 さて、この記事にコメントをいただきました。 同じようなこと

中国語の訛りは消えない?でも学びは続くって話

親しい友人だったL君とのことです。 同じマンションに住んでいたこともあり、よく一緒に食事をしたりお茶を飲んだりしていました。 彼はカナダへ移民した両親を持つ移民二世で、中国語も英語も堪能でした。 私は英語も少しは話せますが、彼とはいつも中国語で会話していました。 時には冗談を言い合い、時には深刻な話をすることもありました。 そんな彼は、私の中国語をよく褒めてくれていました。 しかし、それが嘘だったと知ったとき、本当に傷つきました。 彼は私のいないところで、「くまてつの

日本文化講座を担当して、日本をもっと知りたいと思った話

今月、わたしは日本文化講座「日本の歴史(奈良時代・平安時代・鎌倉時代」の講師をしています。 参考にしたのは、日本の小学校・中学校の歴史の教科書、そしてAmazon Kindle アンリミテッドで利用できる歴史関連の本です。 学校の授業のようにならないように。でも、教養とまではいかなくても日本の歴史に関して知識を届けたいなと思い準備しました。 参加者は3人と少なめでしたが、質問やツッコミもありましたので成功だったと思います。 今回、情報の提供者になるにあたって、まず自分

中国在住日本語教師が友人と語った、今後の仕事と副業のお話

昨日、友人夫婦と彼の自宅でデリバリーのピザを食べながらおしゃべりしました。 毎度いろいろな話題が飛び交うのですが、毎回盛り上がるのが「日本に帰ったらどんな仕事しよう」というテーマです。 わたしたちも友人も夫婦共に日本語教師をしています。 日本語を学びたい人がいる限り、このお仕事はなくなりません。 でも、マンツーマン日本語教師は、人気商売であることは間違いありませんし、時間を切り売りする仕事なので収入の上限もわかりやすくあります。 彼が中国の様子を動画にとってYouT

日本語教師のわたしが iPhone15 Pro Max のみでお仕事できるかもと気づいたお話

皆さんは普段どのような環境でお仕事をされていますか? わたしは週に数日は派遣先の会議室で日本語を教えていますし、自社の教室でも授業をします。オンライン授業のための設備を自宅に持っているので、家でも仕事します。 また、授業準備は自宅でも会社でも行いますし、隙間時間があればスタバなどでお仕事することもあります。 つまり、いつでもどこでも仕事できるように設備を持ち歩いているわけです。 以前はMacBook Proに iPad mini を持ち歩いていましたが、地下鉄とバス、

言語学習者の間違いを笑わない理由:中国語学習で学んだ大切な教訓

わたしのお仕事は日本語教師です。 それで、外国人の間違った日本語や、ちょっとおかしな発音に毎日のように接します。 中には吹き出しそうになる言い間違いや、発音に問題があって聞き取れないこともあるのですが、表情に出さずにフィードバックすることを心がけています。 もし、わたしが学習者の間違いを笑ったり、咎めたりすると、学習者は萎縮したり、恥ずかしい思いをしてしまい、日本語を話そうとする意欲や勇気を削ってしまうかもしれないと思っているからです。 それは、自分が中国語学習者であ

資格試験に合格してても日本語があやふやな中国人学習者を見て思うこと

日本語教育という職業をしていて、直面するジレンマのひとつが資格試験対策です。 日本での就職や進学を考える人は、日本語能力検定試験N2を取得します。N2レベルでなけれな門前払いされてしまうからです。 ですから、N2で合格点以上を持っているかどうかが人生の分かれ道となります。 それで、試験に合格するために日本語を勉強します。 この日本語能力検定試験はN5からN1までわかれています。そして難易度に応じて使われる単語も文法も違います。 ですから、N2を持っているからといって