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言語学習者の間違いを笑わない理由:中国語学習で学んだ大切な教訓

わたしのお仕事は日本語教師です。

それで、外国人の間違った日本語や、ちょっとおかしな発音に毎日のように接します。

中には吹き出しそうになる言い間違いや、発音に問題があって聞き取れないこともあるのですが、表情に出さずにフィードバックすることを心がけています。

もし、わたしが学習者の間違いを笑ったり、咎めたりすると、学習者は萎縮したり、恥ずかしい思いをしてしまい、日本語を話そうとする意欲や勇気を削ってしまうかもしれないと思っているからです。

それは、自分が中国語学習者であることも大きく関係していると思います。

中国語は発音が難しい言語です。

日本語にない音が多数あるだけではなく、四声というイントネーションもあり、正しく抑揚をつけないと相手に伝わりません。

この伝わらないというのが中国語と日本語の違うところです。

例えば、関東と関西で「橋」と「箸」の発音は逆です。

具体的に言うと、関東では「橋」(はし)の「は」を高く、「し」を低く発音するため、頭高型(はし)になります。一方、「箸」(はし)は平板型(はし)で、全体的にフラットに発音されます。

逆に、関西では「橋」が平板型(はし)で、「箸」が頭高型(はし)になります。

他にも「髪」と「紙」、「雨」と「飴」、「柿」と「牡蛎」などもアクセントが関東と関西では異なります。

でも、関東の人と関西の人が会話しているとき、意味を取り違えることはありません。通じてしまうのです。

これが中国語だと通じません。

それで、ちょっとしたアクセントの間違いで意味が伝わらない、もしくは完全に誤解されてしまうことがあり得ます。

わたしも何度も言い間違えて「はぁ↗」と言われて、落ち込んだものです。

もし次も伝わらなかったらどうしよう。笑われたらどうしようと思うと、人前で中国語を話したくないと思ったほどです。

そのことを思い出すと、日本語を学ぶ学習者の間違いがどんなに面白くても、どんなに意味不明でも、微笑みを絶やさずに「なるほど、そこは○○と言うと良いですね」とフィードバックしなくてはと思えます。

さて、グループレッスンをしていると、同じグループでも上達スピードが速い人と、そうでもない人が現れます。

また、センスのあるなしが明確になることもあります。

ただ、中国人のグループレッスンの場合、だれかのミスが勘違いを笑ったり揚げ足をとったりする人は少ないように思います。

今までの例外は、中国の高校の国際部で、彼らは思春期なのか同級生のミスを笑ったり、突っ込んだりしてました。言われたほうも負けてはいませんでしたが・・・

それはさておき、仲間のミスをからかわないというのは素晴らしいことだと思います。

ミスは誰にでもありますし、そもそも学習者で完璧な日本語を話せる人はいません。そして、日本人でもパーフェクトな日本語を話す人はそうはいません。

ですから、だれかのことを下げる目的で笑ったり、マウントをとるためにストレスをかけるのはおかしなことなのです。

でも、残念なことですが、わたしの17年にも及ぶ中国語学習で、最も手厳しいコメントをするのは、いつも日本人でした。

そして自分も同じく日本人の文化や思考パターンを持っています。

それで、今後も相手を恥ずかしく思わせるようなことは誰のタメにもならないと肝に命じなくてはと思っています。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。
また明日!

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くまてつさん@中国|日本語教師
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