『運命の人はどこですか?』西加奈子、柚木麻子など、人気作家が集合!運命の人をテーマに描いた短編集
「恋愛リアリティーショー」って、もうジャンルとして確立しましたね。
Amazonプライムの『バチェロレッテ』とか、若い子の間だと、『今日好きになりました』とか、『オオカミくんには騙されない』とか?
ああいうの見ていると、「運命の人」って、自分が欲しているときに、ちょうど目の前にいた同じ考えの人をそう信じて、構築していくものなんだなって思う。
今回は、そんな「運命の人」について考えさせられる短編集、『運命の人はどこですか?』をご紹介します。
人気作家による恋愛小説が6作品つまった、ぜいたくな1冊
この本は、祥伝社の「Feel Love」、「小説NON」という小説誌に掲載された作品をまとめた1冊になっています。
◆飛鳥井千砂・・・『神様たちのいるところ』
◆綾瀬まる・・・『かなしい食べもの』
◆瀬尾まいこ・・・『運命の湯』
◆西加奈子・・・『宇田川のマリア』
◆南綾子・・・『インドはむりめ』
◆柚木麻子・・・『残業バケーション』
なんと豪華な作家陣!
『そして、バトンは渡された』や『夜明けのすべて』で話題の瀬尾まいこさんをはじめ、『サラバ!』で直木賞を受賞した西加奈子さん、直木賞候補常連の柚木麻子さんまで。
こういうアンソロジーって、ふだんは読まない作家さんとの新しい出会いがあるから、ちょっと読書がマンネリ気味って人にもおすすめ。
「運命の人」って?主人公たちが、壁にぶつかりつつも前を向いて進む物語
この手の作品は、ハッピーエンドなのか、バッドエンドなのかって、先に知りたいなと思うのです。私だけかしら?
『運命の人はどこですか?』は、すべてハッピーエンド。
運命の相手とどんな道をたどるのかはそれぞれだけど、どの主人公も「このあと前向きに、自分の人生を歩んでいくんだろうな」って思わせてくれる終わり方ばかり。
さいごに、1話目と2話目の収録作品から、ちょこっと抜粋して終わります。気になる一節があれば、ぜひお手に取ってみてください。
旅の行く先々で同じ人に会う。運命かも――。サナエが話したような話は、旅行業界の人間からすると、なんらめずらしい話ではない。あまりにもありふれたものだ。
――『神様たちのいるところ』飛鳥井千砂
高嶋はふと、相性がよかったわけじゃないんだ、と気づいた。この子は、まったく知らないところで、俺の速度に合わせてくれていたのだ。
――『かなしい食べもの』綾瀬まる
サクッと、明るい気分にさせてくれる、短編恋愛小説がぎゅっとつまった1冊。週末や、リラックスタイムのお供にぜひ。おすすめです。
■この本が気に入った方には、こちらもオススメ
『運命の人はどこですか?』に収録された『残業バケーション』作者、柚木麻子さんの小説。ライフステージの変化で、友人との距離が変化したことに、なかなかなじめずに悩んでいる人に読んでほしい1冊です。
この本の紹介記事は、こちらから↓↓↓
■次はコレ!この本が好きなら、これも好きなはずシリーズ
・『4 Unique Girls』山田詠美――女性誌GINGERに連載されていたエッセイ集。自分の言葉を持ち、大人の女性へと成長するためのヒントが満載
・『可愛い世の中』山崎ナオコーラ――四姉妹の次女、豆子が結婚することに。でも、当の本人は「おめでとう」という言葉にモヤモヤして――?
・『これでもいいのだ』ジェーン・スー――アラフォー女性に向けた、自分の人生を肯定したくなるエッセイ。アラサーにもしっかり響いた!
■全記事に飛べる目次記事はこちらから
※最近の記事は更新できていないので、近日Update予定です