わたしの本棚 第1006話・10.27
「事前調査しておこう」と、男は犯罪の疑いがある人物の事務所の前に来ていた。強制捜査の前段階として、覆面の捜査官である彼が一般人のふりをして事務所に入る。適当な理由で事務所内に潜入した。受付の人が「誰こいつ」という風に首をかしげながら応対。男は適当につぶやきながら、両目を動かして事務所内の本棚を探す。だが本棚が見つからない。男はついに核心に迫る。「このオフィスには本棚がないですね」それに対して受付は「はあ?」とあきれた顔をすると、「私の事務所には本棚はありません。全部電子化しています。それがどうしたのですか?あなた誰」怪しまれて慌てて事務所を出た男。「事前調査せずいきなり押収すればよかった」と後悔するのだった。
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シリーズ 日々掌編短編小説 1006/1000