半タライのウッキーゲーム
「ウッキーゲームをやりませんか」夜の守衛はつまらない。ひとりで朝までいるだけでお金になるが、何事なければ睡魔との戦いだ。
ただ今日は、ひとりではなく新人が入ってきたので、やり方を教えるためとふたり体制。という事でいつもよりも時間の経過が早い。
だがもう朝まで何もすることがなく、時計の秒針の動き眺めていた時に新人がつぶやいたのだ。
「なんだそれは?ここにはゲーム機なんかないぞ」新人が意味不明のことを言うので半ばあきれると、
「す、すみません、暇つぶしにくだらないことを」と神妙な表情の新人。
「ああ、確かに暇だからな。だったら、どんなゲームがウッキーゲームになるか考えてみようか」暇つぶしになら何でも良かった。
幸いに紙と鉛筆はある。それから30分ほどふたりは真剣に考えた。俺は猿の絵を描くくらいしかできなかったが、新人は半円形のものを描いている。
「半タライです。ウッキー!」とおどけた新人に、俺は思わず半笑い。
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