スキーの日と桜島の日 第1076話・1.12
「何しに来たの?」ひとりの若者を見たみやげ物屋の主人は、驚きの表情をしている。
その若者はスキーウェアーに身を包み、帽子をかぶりゴーグルもつけておりスキー用の靴だ。そのうえスキーの板も持っている。そこに雪が積もっていればいつでも滑られる状況だ。
だがここは鹿児島で目の前に桜島が見えるようなところ。雪も積もっている様子はない。若者は「目的はこの通りです」とだけいう。
主人は呆れた表情で、「いや雪無いから。ここ鹿児島だし」と、半ば相手を軽蔑する。ところが若者は真顔で、
「だから滑りに来ました。誰が雪だといいました」
「へ?」「桜島は火山灰をよく出しますね。火山灰で滑ろうと思いまして」そんな若者に、店主は次の言葉が出なかった。
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シリーズ 日々掌編短編小説 1076/1000
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