AIとつくってみた 第1112話・2.19
「ち、つまんねえ奴の作品だ」ある作品を読んだ俺は、思わず口に出しかけるのを抑えて頭の中でつぶやく。俺は茨城県水戸市の観光課から依頼で、公募作品の審査をしている。300~400字で水戸市に関する小さな物語を募集していた。だが、どの作品もありきたりの物語である。水戸だから水戸黄門の話が多く、次は、水戸納豆を使ったようなもの。水戸の名物だから仕方がないが、それにしても内容がどうもつまらない。俺の琴線に触れる作品が無いのだ。
「もっとこう読者をひきつけるような作品とか来ないかなあ」俺は水戸市の審査員をしたことを内心後悔した。以前は別の自治体での同様の審査員をしたことがあったが、そこでの作品は本当に目を見張るものが多い。正直なところ審査をしていて楽しかった。むしろ入選作品を選ぶのに一苦労したくらいだ。
「あとは、これが最後か、ふうー」俺は低レベルな作品の中から選ばないといけないことに少し苛立ちと不快感が襲う。俺は辛口だ。妥協はしたくない。とはいえ「該当者なし」はあり得ない状況である。と言っても最後の作品に、過大な期待は持てなそうにもないのもまた事実。
「さて、どんな作品か」俺は最後の作品に目を通した。だがこのとき俺の体全身からしびれるようなものを感じることができかつ、大きく目が見開いたのだ。
それは次のような内容である。
「水戸に熊のジョージだと?」物語は童話のように作られているようである。それにしても不思議な作品だ。水戸とは無関係に続くこの作品は、先頭に無理やり水戸を付けているだけかもしれない。だがそれまでの作品がありきたりで正直つまらないと思っていた俺にとってこの作品を見た時の衝撃はあまりにも大きかった。
「広い空気の中に住んでいる動物か、うーむ」俺は悩んだ動物が空気の中に住んでいるというのは不思議な表現だと思わざるを得ない。「そこにいる茶色い熊の名前がジョージが遊んでいて...…」ここまではまだよかった。だが次の表現に俺はどう説明していいのかわからない。
「家族が持つ家族の旅行の素晴らしい経験が無かったので旅行をしてみたくなった...…」俺はしばらく目をつぶった。いったいこの不思議な物語はどういうことなのかと。
「つまり、ジョージなる熊は旅行をしたくなったか。うん、なるほどね。旅行と言っても外ではなく内向きの旅行と考えたら面白い」
ここで俺はひらめき目を開けた。そしてもう一度この作品を眺める。
「これは意外に使えるぞ。つまり水戸に住みながら水戸のことを知らないからもっと水戸市内を旅しようというキャッチフレーズに使える。熊のジョージは普段遊んでいたが、ふともっと知りたくて旅行をしてみたくなった。恐らく普段遊んでいた森や川のある所は、せいぜい半径百メートル圏内だろうとすれば...…」
ここで俺は水戸市の地図を広げた。「ほう、水戸は海に面していると思っていたが、海があるのは大洗で別の町か、それからひたちなか市が迫っているな」俺は審査員を請け負いながら、実際には作品の良し悪しのみに重点を置いている。だからあまり水戸の事を調べていなかった。そのうえ偕楽園という有名なスポットが圧倒的な存在感を持っている。だから水戸市内にある名も無いような小さなスポットの事まで目が行っていなかった。それをこの最後の作品で再認識できたのだ。
「個人的には、この七ツ洞公園と水戸芸術館 アートタワーが気になるな。よし、優秀作品はこの作品で決まった。あとはジョージの気分になって水戸市内のスポットを巡ってみよう」
俺は描画用のアプリを開いた。俺は自慢できるレベルではないがわずかながら絵心がある。こうして俺は描画アプリで茶色い熊を描いてみた。「本当は、プロに描画させたらもっとうまくなるのだろうけどな」完成した熊を見ながら俺は口元を緩ませると、その熊に「ジョージ」と名を付ける。「あ、森で遊んでいるからな」とジョージのお腹の上に森で落ちていたと思われるドングリを追加で描く。
この後メールを開き、観光課に対してこの作品を選んだことを書いてメールを送る。そのあと俺は席を立ち上がると、ジョージの気持ちになりながら、水戸市内にある気になるスポットに行ってみることにした。
追記:引用の物語は「AIアシスタント」なる機能で作ってみました。
https://www.amazon.co.jp/s?i=digital-text&rh=p_27%3A旅野そよかぜ
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