無頼ママチャリ
「これからの時代はバイクじゃねえ、もちろん4輪車でもない、ママチャリだ」町からは「無頼者」と呼ばれた集団のリーダーはそうつぶやいた。
「し、しかし、速度が」メンバーの中には不満を持つものがいる。そりゃそうだ。バイクの速度とママチャリの速度では、月とスッポン、エンジンを吹かせば乗っているだけで勝手に動くバイクと、自らの足で漕がなければばならないママチャリに代わるという事は、冷房を止めて団扇にするようなもの。
当然メンバーからは反発が起こったが、リーダーが固執するために、遂に分裂してしまった。大多数が脱退し、少数派となったグループ。
「ママチャリでどこまでできるだな」メンバーのひとりにリーダーはこういった。
「電動アシスト付きのママチャリを使う、これなら坂道も自在に走れるぜ」こうしてのこされた無頼者集団は電動のママチャリで街を走る。
無頼者であることはこれまで通りだが、以前と比べて町の人の対応が違う気がした。
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