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書く時間

 書く時間はある。だが書く内容がない。さて困った。書く時間があるときに書きたいのに肝心の書くべきことが頭に浮かばないのだ。

 この時こそ、時間の無駄遣いではと感じることがある。そりゃそうだ。原稿用紙を前にただ茫然と眺めているだけ。
 茫然していても秒針は確実に時計回りに刻んでおり、時は経過しているのがわかる。

「ま、まずい」焦った。焦ったからと言って書けるかどうかは別問題。
 とはいえ、何か書かないととんでもない後悔をしそうな気がしたので、強引に筆を進める。

 どうやって進めるか、そこは考えない。直感で思いついた文字やキーワードを入れていく。入れていくことにより、そのキーワードから何か書くべき妙案が浮かぶのではとやってみた。

 どうやらそれは正解だったようだ。たったひとつのキーワード。その文字を眺めているだけで次のキーワードが浮かんだ。こうして次々とキーワードが浮かびついに書く事ができた。「粘り勝ちだ」と思わず時計に笑う。

こちらの企画に参加してみました。

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書く時間 #短編小説


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