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グリム童話ATM

「おう、創作しているか?」僕の創作仲間の作兵衛が話しかけてきた。「やってるぜ。驚くなよ。時空童話書いてんだ」

「時空童話?」作兵衛が驚きのあまり目を丸くしている。それを見て優越に浸る僕は語りだす。「例えば童話っていえば昔話って思うだろ。そこに未来の要素を入れる。これが時空童話ってことさ」

「へえ、おめえさん、おもしれえ事考えてるじゃん。で、どんな時空童話ができたんだ」「ずばり、グリム童話ATMっていうんだ」その瞬間、作兵衛が顔を上にあげて戸惑った。
「驚いたか、グリム童話は19世紀に発行された物語だが、その話の中にATMを登場させる。この時空のゆがみ的なところが斬新なんだ」とここまで僕が語った。

だが作兵衛は突然僕を見ると、「それだったらわざわざグリムなんて海外の童話じゃなくとも日本の昔話でやりなよ」「日本の昔話?」「桃太郎の桃はATMの金で買ったとか」

僕はそれを聞いてポカリと口を開けたままになった。

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