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半分ろうそく

 「これだけ大きいと明日まで持つな」ひときわ大きなろうそくを持ってきた理由は、今晩ひとり山小屋で過ごすためだ。

 山小屋に普段はランプがあるのに、今はランプの燃料が切れていた。次の週にならないと補充されないと聞いたので、大きなろうそくを持ってきたのである。

 さて暗くなり、ろうそくに火をつけようとすると、「あれ?」ここで異変に気付く。どうもろうそくの下のほうが微妙に色が違うのだ。「それにこれって」触ってみてもおかしい。上のほうは蝋のややヌルメリがある。半分から下は少しざわつく感じで明らかに別の材質のようだ。

「半分だけろうそくという事だったか」ということは、朝までろうそくの灯が持たないと直感したが、いまさら手遅れだし、どうせ眠るから大丈夫だろうと思いろうそくに火をつけた。やがてろうそくを気にせずに眠る。

 次の日起きると、驚いた事にまだろうそくの火がついていた。まもなく半分ほどになるという事は、ちょうど!

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