【読書感想文Vol.43】この二人に魅力を感じられなかった『六法推理』
核心には触れませんが、あらすじ以上のことに触れていますのでご注意ください。
キャラ設定に対する疑問符
よって現代の、立場がまだまだ弱い学生に寄り添って相談に乗り、浮かび上がる事件を解決していく
——というのが本筋なのですが、個人的に最後まで主人公の二人が好きになれませんでした。
古城と最初の相談から住み着いた戸賀。前者はあらすじで法律マシーンと呼ばれていますが、蓋を開けてみるとめちゃくちゃ人に同情してます。
法律には反していないけど十分な悪——もちろん復讐という理由はあるが——を見ても全く手を貸さなかったり、危険もあるのにそれは大丈夫なの?
などなど、あまり乗り切れない、感情移入できない展開が多くあってモヤモヤしました。
古城が法的に正しいであろうという推理をし、その後閃きの天才、とか言われている古城がどんでん返すストーリーラインになっており、その都合上古城は間違った推理をしなければいけないのですが、それが目茶苦茶。
なぜここまで推理できたのにその結論に? なぜこの可能性だけ検討しないの?
などなど頭の中にクエスチョンマークが溢れ、最後でひっくり返っても「ああ、このためだったのね」と白けてしまいました。
後者の戸賀の方も好きになれません。
絶対戸賀一人でも推理できたよね?
なぜこんな所に相談を?
あぁ苦学生でお金がないからか。
いやでもそこまで意志も強くて行動力あるならもっとお金も工面できたんじゃない?
髪染めたり服とかアクセにお金かけすぎなんじゃない? 表紙めっちゃおしゃれだけど——
等々乗り切れないせいで普段は目に付かないところまで目に付く始末。
シンプルに痛快系が個人的に好みじゃないのもあって最初から最後までハマらず——という短編集でした。
続編もあるみたいですが、個人的にはいいかなぁ……
次は『爆弾』を読みます。
ノリ感:40
文体:やや軽め
分量:369頁
読了日数:3日
起:6/10
承:2/10
転:2/10
結:2/10
総合評価:50/100
おすすめ度:☆
(★★★★★ = MAX、★ = ☆☆)
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