30年ぶりにやってみたい
小4で習い事をほとんど辞めた。
30年近く前に話になってしまうのだが、当時習っていたのはピアノ、そろばん、習字だった。辞めた理由は塾に行くため。
その当時の私にとっては塾に行くこと、志望校に受かることが挑戦であり、すべてだった。他のことはもういいかな、って思っていた。
ピアノは正直好きじゃなかった。だから前向きな理由で辞められることに安堵していた気持ちもあった。
そろばん、習字は名残惜しい気持ちもあった。でも塾に入るんだ、そのために仕方ない、と前向きに思っていた気がする。
墨汁の匂いの記憶
最近自分の実家から引き取ってきた幼少期の書類を整理していたら、賞状が出てきた。
その何枚かは習字や書初めのものだった。どうやら習字は得意だったようだ。
そんなこともちゃんと全然覚えていなかった。よくよく考えてみれば、そんな記憶もあったような気がする。でも、どんな文字を書いていたのかも忘れてしまった。
習字教室のことを思い浮かべてみた。そして、その墨汁の匂いや、集中して書いているときのただそこにある静かな瞬間を思い出した。先生がおもしろくて優しかった。いつも賑やかで、字を直されるオレンジの墨汁の色が鮮やかだった。
ああ、私は習字が好きだったんだ。
賞状を見て思い出した過去の記憶。
過去の栄光。
約30年ぶりに
習字をやってみようかな、と思っている。
いざやってみたらもう好きじゃないかもしれないし、やってみたら全然違った、となるかもしれない。
それはそれでいいかな、と思っている。
単純に墨の匂いと共に、自分と向き合う時間を楽しんでみたい。
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