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表紙とタイトルに騙されないで!『女の子は、明日も。』(飛鳥井 千砂)ブックレビュー
「恋する書店チャプターズ」のYouTubeで紹介されていて、気になって購入した『女の子は、明日も。』(飛鳥井 千砂)を読了。
表紙のイラストが少女漫画的なタッチだし、本のタイトルも「女の子」なので、ライトな恋愛小説を想像していたら全然違う!
これは大人の女性のための、女性の生き方を考えさせられる小説でした。
30歳を過ぎると、20代の頃にはなかった悩みが出てくる。
なぜなら女性には「出産」というライフイベントがあり、これにはリミットがあるから先延ばしできない。
自分自身も30代はこの問題に悩んだ。35歳以上は高齢出産になると知った時の衝撃はどれほどだったか…
出産を起点に、結婚、いや、そもそもお付き合いしている相手もいない。
出産を考えると彼氏をつくるところから考えねば…。
相手が見つかっても、相手も
子どもを産むならば、キャリアやお金のことも無視できない問題。
産みたいと思ってもすぐにできなかったら?
30歳前後から、周りで不妊治療をする人が一気に増える。
焦っても時間だけが過ぎていく。
タイムリミットが刻々と近づく。
自分の価値観やライフプランに向き合わないといけない。
いろいろな選択肢がある現代だからこその悩みや迷い、そして葛藤。そんな女性ならではなの心情や状況に向き合っているのがこの作品です。
私が思う読書の魅力の1つは、他人の体験や思考を疑似体験できることだと思っている。
1人の人が生涯で出会える人や経験できることなんて限りがある。
それを読書は無限大にしてくれる。
この本は、そんな読書の魅力を感じさせてくれる1冊でした。
みんな違ってみんないい。
大切なのは、自分がどんな選択をしたいか、それを自分が責任をもって主体的に選ぶかどうか…ではないかなと思っている。
20代後半から30代の女性で、恋愛やキャリア、出産やパートナーとの関係に悩む人は手に取ってみてほしいです。
また、女性同士特有の遠慮や牽制、嫉妬や不安など友人や先輩後輩関係における心情の揺れ動きも、共感できる部分があるんじゃないかなと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!