見出し画像

股関節 モビリティエクササイズ


・腰掛け・正座・立ち上り・しゃがみこみ・靴下の着脱・爪切り・片足起立・階段の昇降…などの日常生活動作を何の支障もなく行うためには 股関節の可動性は 屈曲110° 外転30° 内旋30°  以上必要であると言われています。股関節の可動性が低下した時には 腰椎の前弯の増大や骨盤の前傾 胸椎の平坦化の傾向が見られるようになります。「股関節の可動性の向上を目指すためには 骨盤・脊柱も含めた身体のアライメントを考慮していく必要があります」

・骨盤のアライメントの変化は 骨盤のもつ動作「前傾・後傾 内旋・外旋 上方回旋・下方回旋 等」の高い自由度から 体幹と骨盤・下肢の連動性が関係しています。腰椎骨盤帯は体軸の土台であり 下肢と体幹をつなぎ 下肢から体幹へ 体幹から下肢へ力を伝える役割をになっています。「股関節の可動性の改善には 腰椎骨盤帯(下部体幹)を連動させることが重要です」 脊柱のアライメントの変化では ひとつ理解しておきたいことがあります。脊柱のカップリングモーションに影響が及ぶことです。脊柱のカップリングモーションとは 大まかに言えば「回旋と側屈の2つの動きがセットで起きること」です。脊柱は 胸椎では回旋と側屈が同側でセットで起こり 腰椎では回旋と側屈が対側でセットで起こります。例えば からだを左に捻った時に胸椎は左に回旋し左に側屈します。(左に圧縮) 腰椎では右に回旋し右に側屈します。(右に圧縮) 胸椎と腰椎は互いに反対に側屈することでバランスをとっています。脊柱のS字状カーブとカップリングモーションは からだの前後と左右のバランスをとることに役立っているのです。(ちなみに回旋の中心はT10〜12です) ピッチャーの投球動作を参考にすると 右投げの投手であれば からだを左に回旋しながらボールを投げますが スムーズな投球動作では 脊柱(胸椎レベル)は左に側屈し ボールが指を離れるまでの加速期では 腰椎・骨盤は対側に回旋(ベースに正対)しています。下肢の支持性・安定性との連動が深まっています。股関節の可動性の低下から脊柱(腰椎・胸椎)の可動性やアライメントに変化があらわれると関節の支持性・安定性が損われ たくさんの代償動作が生じてきます。動作の質を問う前に痛み・怪我を引き起こしてしまいます。「股関節の可動性を改善するためには脊柱の可動性の獲得は必須です」

・股関節の外転・外旋・屈曲・内転・内旋・伸展という動作も改善することでスムーズな動きを獲得しましょう。


脊柱・骨盤の伸張との連動

画像7

・ボックス姿勢になります。

・前腕上部外旋と肩甲骨外転を忘れずに。

画像8

・一方の下肢を立てます。背中が丸まらないように注意してください。

画像9

・上肢で床を押してお尻を踵に近づけます。股関節の屈曲を意識してください。

画像10

・重心を前方に移動させて からだを前に乗り出します。

・前方にある下肢の踵は床から浮かせ しっかり体重を支えます。

画像11

画像12

・この動作を繰り返し行います。

脊柱の側屈・回旋との連動

画像13

・ベンチあるいはボックスに一方の下肢をおきます。

・しっかり前に乗り込み 下腿の前傾をつくります。

画像14

・ベンチにある下肢と同側の上肢は膝に 対側の上肢はベンチにおきます。

・膝においた上肢の肘を伸ばして 股関節を外転外旋するイメージで押します。ベンチから足裏が離れないように注意してください。

・股関節の外転外旋にあわせて 体幹を側屈・回旋します。この姿勢をひと呼吸キープします。

画像15

・股関節の外転外旋をキープしたまま 体幹を逆側に側屈・回旋します。この姿勢をひと呼吸キープします。

・片側ずつ行います。

体幹の支持性と股関節の可動性

画像1

・ボックス姿勢から一方の下肢を外側に伸ばします。

画像2

・他方の下肢も同様に外側に伸ばします。背中が丸まらないように注意してください。

画像3

・一方の上肢を交差させてからだを移動させます。肘はしっかり伸ばします。

画像4

・交差させた上肢でしっかりからだを支え 他方の上肢を置き換えます。その際股関節・骨盤の回旋をあわせて行います。

・からだはしっかり正面を向き 股関節をわります。

画像5

・股関節・骨盤の回旋に合わせて 上肢をもとの位置に戻します。

画像6

・スタート姿勢に戻り 左右交互に同様の動作を行います。

脊柱の回旋可動性

画像16

・膝を立て 仰臥位になります。両上肢は床に伸ばします。

・肩甲骨の内転と骨盤の後傾を意識して背中を床に密着させます。

画像17

・両膝を床に倒し 対側の肘を曲げます。

・肘を屈曲した側の肩甲骨の内転をより意識してください。

画像18

・肘を屈曲した上肢の前腕を床に着けるようにからだを回旋します。頚の回旋から始動します。

・膝は床に密着させます。

画像56

・頚の回旋から始動して スタート姿勢に戻ります。

・回旋が完了した姿勢では 膝は床に着いています。その膝を床から離さないようにスタート姿勢に戻ります。

画像57

・この動作を繰り返し行います。

画像19

・回旋の可動域を感じたら 床につけた上肢でからだを支え 他方の上肢の位置を変えます。

画像20

・からだを支えた上肢を伸ばし床に密着します。回旋域をさらにひろげましょう。

・この姿勢をひと呼吸キープします。

脊柱の側屈・回旋可動性

画像21

・膝立ち姿勢になります。

・前にある下肢と同側の上肢を挙上します。上肢は肘を伸ばし外旋します。

画像22

・対側の上肢を床にゆっくり置きます。肘をしっかり伸ばして 前腕上部を外旋します。

・脊柱の側屈・回旋と両上肢の外旋 挙上した上肢の肩甲骨の内転を意識してください。

・この姿勢をひと呼吸キープします。顔は指先を見ます。

画像58

・スタート姿勢に戻り この動作を繰り返し行います。

画像23

画像24

画像59

・反対側も同様に行います。

体幹の支持性と股関節の可動性

画像25

・ハイプランクの姿勢になります。

画像26

・下肢の動作に体幹が動揺しないように安定させます。

・一方の股関節を屈曲させて床に置きます。

画像27

・同様に他方の股関節も屈曲します。

・背中が丸まらないように注意してください。

画像28

・屈曲した股関節を伸ばして もとの位置に戻します。

画像29

・もう一方の股関節も伸ばして スタート姿勢に戻ります。

画像30

画像31

画像32

・この動作を繰り返し行い からだの可動性を感じたら 上肢で床を押してフルスクワットのボトム姿勢になります。

・股関節の外転外旋を意識してください。上肢は胸の前で挙上します。

・この姿勢をひと呼吸キープします。

脊柱の側屈・回旋との連動

画像33

・フルスクワットのボトム姿勢になります。股関節をしっかり外転外旋します。

画像34

・同側の上肢は膝に置き 対側の上肢は足首をつかみます。

・からだが前に倒れ込まないように注意してください。

画像35

・足首をつかんだ上肢は下肢をひきつけ 膝に置いた上肢は下肢を押しこみます。両上肢の肘は伸ばします。

・膝を爪先より前に押し出すように股関節を伸ばします。この動作にあわせて体幹を側屈・回旋します。

この姿勢をひと呼吸キープします。

画像36

・しっかり伸張したら 対側の上肢を床に置きます。肘はしっかり伸ばして前腕上部を外旋します。

画像37

・同側の上肢を肘から挙上します。顔は肘を見ます。

画像38

・肘を伸ばし上肢を外旋します。顔は指先を見ます。

・体幹の側屈・回旋 両上肢の外旋 股関節の外転外旋を意識してください。

・この姿勢をひと呼吸キープします。

画像39

画像40

・肘を屈曲しスタート姿勢に戻ります。

体幹の支持性と股関節の可動性

画像41

・シンボックスの姿勢になり 両上肢は胸の前で挙上します。

画像42

・股関節を伸展し起き上がります。反動はつけません。

・膝立ち姿勢になったら 骨盤を後傾します。(お尻の筋肉に力を入れます=スクイーズします)

画像43

・骨盤の後傾をリリースして 股関節を屈曲しながらスタート姿勢に戻ります。

・ゆっくりもとの姿勢に戻ります。この動作を繰り返し行います。

・左右行う中で 可動性の低下や変化を確認しましょう。

体幹の支持性と股関節の可動性

画像44

・あぐらの姿勢になり 一方の下肢は軽く立てておきます。

・両上肢は胸の前で挙上します。背中が丸まらないように注意してください。

画像45

・膝を立てて 起き上がります。反動はつけません。

・下腿の前傾を意識します。

画像46

・ゆっくりもとの姿勢に戻ります。この動作を繰り返し行います。

・左右行う中で 可動性の低下や変化を確認しましょう。

体幹の支持性と股関節の可動性

画像47

・膝を中心にチューブをかけ トライポッド姿勢になります。上肢は腰にあて足幅は腰幅に構えます。

・股関節をやや外転し 負荷として使います。

画像48

・一方の股関節の力をゆるめて内転内旋します。

・動作中 体幹が動揺しないように注意してください。

画像49

・力をゆるめた股関節を外転外旋してもとの位置に戻します。下肢の支持する側と機能させる側の使い分けを意識してください。

・この姿勢をひと呼吸キープします。

画像60

・ゆっくり股関節の力をゆるめ この動作を繰り返し行います。

体幹の支持性と股関節の可動性

画像50

・壁に向かって立ち一方の脚は壁につけ 他方の脚は爪先を外側に向けます。

・上肢は胸の前におきます。

画像51

画像52

・壁につけた股関節を内旋します。その動作にあわせて体幹も回旋します。

・体幹の回旋に合わせて 支持側の膝は軽く屈曲します。

画像53

・股関節の内旋 体幹の回旋をしっかり行いながら股関節の屈曲(ヒンジ)を意識して からだを床に向かって倒します。

・この姿勢までゆっくりとした動作で行います。

画像54

画像55

・股関節の外旋 体幹の回旋を行いながらからだを起こしスタート姿勢に戻ります。

・この動作を繰り返し行います。


1つのエクササイズの中に複数の動作が含まれている場合に からだを上手に連動させることが難しい時には 1つの動作に絞って動き作りを行ってから取り組むことお勧めします。 例えば 脊柱の回旋 脊柱の回旋と側屈 股関節の可動性 といったパーツの可動性を向上させましょう。連動性が高まりやすくなります。





「ちょっとやってみようかな、マネしてみようかな」というところからカラダの使い方に興味をもってもらえれば嬉しいです。