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Today`s songs ごちゃまぜ40

「へぇ、そんなところにほくろがあるんだ」

がりっとした感触を歯の上に感じ、舌を出して、つばを吐いた。

ざらざらざら。

私は砂の感触がきらいだ。

砂は
私の舌の上に
肩甲骨の間に
太ももに
足の裏に。

ざらざらざらと存在感を残す。

気持ち悪い。

サンダルを脱いで、砂を落とした。

海猫が鳴いている。音が横切る。

風がパラソルを揺らして、ぎしぎしと音を鳴らす。

じりじりと太陽が身をこがし、世界はひとつになる。

砂浜に傘が打ち捨ててあった。

骨はひしゃげて布は破れていた。

アイスの袋が落ちている。

苦悩する脳と確かな欲は

あわとなって

溺れてしまえばいい。

静かに深く深く

世界は終わりを迎えて

いつかのはしゃいだあの日とともに

果てのない海の向こうへ。

『そんなところ?』

全て知っているくせに。

あの指は

確かに私の肌を滑って

椎骨と椎骨の間をぬって

鎖骨から胸骨にむかい

上前腸骨棘のへりをなぞり

その道筋にほくろは漂っていた。

頬を伝うしずくをなめて

「海みたいだ」と

笑ってキミはハンカチをさしだして

ああ

海なんかこなきゃよかったんだ。

こんなことも思い出さなかった。

ずっと忘れてたんだ。

海猫は弧を描いて

はるか遠くの国の

光のまばらな漁港にたどりつき

虫の死骸をつついて

混沌で曖昧な夢の中に

眠る。

きらきらした貝殻と

朝に立ち込める霧雨と

砂もほくろも骨も

波紋のように

響いて

消えてしまった。


来世はほくろが消えていますように。

星のように道標のように

あなたが見つけられずに

どうか見失って

しまいますように。



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くま
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