【創作】Dance 1
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第1話 月のクレーターをとびこえる
夏の暑い日差しの中で、木々が強い光を遮る。
木漏れ日は階段に光と影のグラデーションを作る。木たちは協奏し、リズムを作り、階段に強弱のコントラストをもたらしている。そして、コンクリートの隙間から生えた草たちは先日の大雨続きのあとからみるみるうちに背丈を伸ばして主張している。
変わるものと変わらないものはただそのものとして日常に存在していて、移り変わりのわかりやすいものはあっという間に過ぎ去ってしまう時間の経過を知らせている。