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フェニックスの尾で復活は出来るが…

制限時間つきのRPGのようなお話し。

《破天荒フェニックス 田中修治 著》

倒産寸前のメガネチェーン店・オンデーズを、異業種から参入した若手経営者の田中修治氏が破天荒ともいえる方法で再生していく物語。

売上20億にたいして、負債が14億というオンデーズ。
RPGでいえば、ステータスは瀕死の黄色、敵からあと1・2撃くらえばゲームオーバーの赤色になるのは明らかな状態。
けれど、クリアまでの制限時間があるがごとく、悠長にレベル上げをしている時間も余力もなく、次から次へと逆境が容赦なく襲いかかってくる。
トラブル、裏切りの雨あられ。
動いたら即死、かといって止まっていても衰弱死なんていう八方塞がりもありあり。


そんな状況下でも、「えっ、こんな方法で!」というような破天荒な方法をもってして、七転八倒しながらもギリギリ紙一重で道を切り開いていく田中社長。
「もうダメだ!!」と思ったそのときに、支えてくれる仲間や手を差し伸べてくれる先輩経営者のおかげで立ち上がる彼の姿には、思わず胸が熱くなりました。

事実をもとにしたフィクションなのですが、最初から最後まで心臓が早鐘を打つようなスリリングな展開に心躍る作品。

さらにこの作品には、生きていくうえでの教訓も多く含まれているとも感じました。


作中に登場する教訓たち。


そのなかでも、とくに自分の琴線に触れたのは、信じていた人間からのとんでもない(僕なら憤死レベルの)裏切りを知り、打ちひしがれた田中社長が発した言葉。

「安易に人を信じ、自主性に任せていたのが、結局は全て裏目に出ていたのだ。僕は『任せる』ことと『ほったらかす』ことを完全に履き違えていただけだった」

作中の出来事の重大性には足元にもおよばないものの、僕にも似たような経験があったので、なおさら言葉が胸にグサリと刺さります。

逆境に見舞われている、人が信じられなくなっている、不安で前が見えない人にオススメの一冊です。

ちなみに余談ですが、RPGファイナルファンタジーに出てくる復活のためのアイテム『フェニックスの尾』は、復活直後は瀕死の状態だったなぁと、ふと思い出しました。
本当に余談ですが(笑)

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