シェア
Reman
2015年7月11日 00:32
それからとても長い時間がたちました。他の毛虫はどんどんチョウチョになって空を飛んでいきましたが、あの毛虫のサナギだけは全然変わりませんでした。はじめは緑色だったカラも、いつの間にか茶色くよごれていました。そしてついに、ポトリと土の上に落ちてしまいます。こんどもゆっくりと時間をかけて、サナギは土の中に消えていってしまいました。ある日、一ぴきのチョウチョがヒラヒラと
2015年7月11日 00:31
桜の枝の上で毛虫はずっと悩んでいました。毛虫のままではいたくないし、もうチョウチョにもなりたくなかったのです。葉っぱも食べないで泣きながら目を閉じていると、いつの間にかまわりが真っ暗になっていました。毛虫はサナギになったのです。これでもうだれにも会わなくてすむぞ、と毛虫はうれしくなりました。真っ暗なカラの中で、ずっとこのままでいさせてください、と毛虫は何度も
2015年7月11日 00:29
また10回ヘニョヘニョしたところで、今度はツバメに会いました。「やぁ、こんにちは」毛虫はにっこりあいさつしました。「おやおや、毛虫か。食べてやろうか」ツバメはお腹が空いてなかったので毛虫をからかいました。「それはダメです。困ります。 ボクはキレイなチョウチョになりたいのです」毛虫は泣いて頭をふりました。「それではチョウチョになってから食べてやろう」ツバメはア
2015年7月11日 00:27
10回ヘニョヘニョしたところで、今度はバッタに会いました。「やぁ、こんにちは」毛虫はにっこりあいさつしました。「おぉ、汚い。土の上しか歩けないからそんなに汚れちまってんだ。」バッタはピョンピョン飛んでいきました。毛虫はお話したかっただけなのに、と泣きました。でもボクはいつかチョウチョになる。そうすればきっとみんなと仲良くなれる。毛虫はそう思うと元気になってま
2015年7月11日 00:20
毛虫が一ぴき土の上を歩いていました。ヘニョヘニョ、ヘニョヘニョ。食べ物をさがしに桜の木へと向かうところです。10回ヘニョヘニョしたところで、てんとう虫に会いました。「やぁ、こんにちは」毛虫はにっこりあいさつしました。「ありゃりゃ、どうか近よらないでおくれ。 お前がさわるとかゆくなる」てんとう虫はあわてて逃げていきました。毛虫はお話したかっただけなのに、と泣き