5へにょりん
それからとても長い時間がたちました。
他の毛虫はどんどんチョウチョになって
空を飛んでいきましたが、
あの毛虫のサナギだけは全然変わりませんでした。
はじめは緑色だったカラも、
いつの間にか茶色くよごれていました。
そしてついに、ポトリと土の上に落ちてしまいます。
こんどもゆっくりと時間をかけて、
サナギは土の中に消えていってしまいました。
ある日、一ぴきのチョウチョがヒラヒラとお花にとまりました。
桜の木のすぐそばに生えているお花でした。
「キレイなお花だわ。まるで仲間のチョウチョみたい」
チョウチョはおいしそうにお花のミツを吸いました。
ミツを全部吸ってしまうと「またくるね」と言って、
チョウチョは幸せそうにヒラヒラと草原へとむかいました。
ミツを吸われて軽くなったお花は、
強い風にふかれてうれしそうに高いお空へと飛んでいきました。
お・わ・り