家ごはん|塩の食べ比べ
塩の食べ比べを思いついた
年末に香川に行った際に、”Setouchi Smoked Sea Salt(燻製された海塩)”というものを見つけて買ってきました。「燻製されたお塩ってどんな感じ!?」という好奇心から購入しましたが、いざビンを開けるときにはとてもドキドキしていたように思います。フタを開けた瞬間、スモーキーな香りがあたりに広がり、燻製の煙がもくもくとビンの小さな口から立ち上っているように思えるくらいでした。
ためしに指先をビンの中に入れて味を見てみると、味はしょっぱい普通のお塩という感じです。その後、手を洗いましたが、しばらくは指先からほのかに燻製の香りがするような、それくらい存在感の強い香りでした。
この塩の味を堪能するにはどういう食べ方がよいだろうかと考えてみて、とんかつをこのお塩で食べることを思いつきました。年末に東京の大森で訪れた”とんかつ鉄(くろがね)”から着想を得たものです。
”とんかつ鉄”は有名なお店で、お肉がもちろんとてもおいしく、パン粉やあげ加減も申し分ないのですが、2〜3種類のお塩でとんかつを食べることができるというのがなんといってもこのお店の醍醐味ではないかなと思います。
家にある塩の棚卸し
週末のランチにとんかつを近所のお肉屋さんで買ってきて食べ比べをしよう!とさっそく準備を始めました。家にある塩の棚卸しをしてみると、
・天日塩:海塩
・瀬戸内スモークソルト:海塩
・ゲランドの塩:海塩
・ハムチョ塩(鹹草塩):植物塩
・ヒマラヤピンクソルト:岩塩
というラインナップでした。
韓国で初めて知ったお塩の中に、ハムチョ塩(鹹草塩)があります。ハムチョ塩(鹹草塩)は植物塩で、塩生植物であるハムチョ(鹹草)から塩分を抽出して作られる塩だそうです。
塩の種類
この機会に塩の種類や賞味期限について調べてみることにしました。原料だけでなく、製造方法によっても違いがあり、予想以上に種類が豊富でした。
複数のサイトの内容をまとめると、
原料別の塩の種類
海塩
海水から作られる塩
岩塩
海底の地殻変動などにより海水が陸上に閉じ込められ、結晶化した塩
湖塩
”塩湖”から採れる塩
植物塩
塩生植物から塩分を抽出して作られる塩
製法別の塩の種類
精製塩
海水を電気分解(化学反応)してナトリウムイオンを抽出し、塩化ナトリウムを99%以上に精製した塩
自然塩(天然塩)
精製塩の枠に該当しないもの
精製塩と違い、塩化ナトリウムだけでなく塩化マグネシウムや硫酸カルシウムなどのミネラルが含まれている
自然の栄養素やミネラルが豊富なため、旨みやコク、甘みを感じられるまろやかな味わい
産地によって味も様々
食品表示には、工程”天日”、”平釜”、”逆浸透膜”などと表記
再製加工塩
いったん塩になったものににがりを加えて作られる
精製塩と自然塩の中間的な存在
自然塩(天然塩)の製造方法の種類
天日塩
塩田で海水を蒸発させて作った塩
せんごう塩
釜で炊いて作った塩
原料によって3種類に分類
・膜透析で海水を濃縮して煮詰める”膜濃縮せんごう塩”
・天日塩を溶かして炊き直す”天日塩再製せんごう塩”
・岩塩層に水を入れて塩水をとってから煮詰める”溶解採鉱せんごう塩”
ということです。
塩の賞味期限
塩は長持ちしそうというイメージを持っていましたが、 JAS法の加工食品品質基準では塩や砂糖は経年劣化の極めて少ない食品のため、賞味期限を表示をしなくてもよいことになっているそうです。
塩は旅行先で買ったり、旅行のお土産でもらったり、普段の買い物で購入したり、珍しいものを見つけるとついどんな味か知りたくて購入してしまう、そんな在庫が増えがちな品目なので、経年劣化が少ないということでよかったです。
食べ比べの結果
・一番しょっぱい:ゲランドの塩(海塩)
・しょっぱくない:ハムチョ塩(植物塩)
・一番乾燥している:ヒマラヤの塩(岩塩)
・一番好き:ハムチョ塩(植物塩)
食べ比べる前は岩塩は海塩よりもしょっぱい、海塩の中でもゲランドの塩がマイルドなはず!となぜか強く信じていました。ゲランドの塩に関しては淡いベージュや水色のおしゃれなパッケージを見かけることが多かったので、その印象のためでしょうか。
この根拠のない確信に基づいて、しょっぱくなりすぎないで欲しいサワードウブレッドにはゲランドの塩、きちんと味がついて欲しい野菜炒めやチャーハンには天日塩を使っていましたが、これからは逆にしてみようと思います。
先日、さっそくサワードウを天日塩で作ってみたら、気のせいかもしれませんがいつもよりも丸い味に焼き上がったように思います。近いうちにチャーハンや炒め物でゲランドの塩を試してみよう。
今回、同時に食べ比べてみて初めて、それぞれの違いがはっきりと感じられました。自宅での食材の食べ比べ、寒い寒いソウルの冬の過ごし方として、なかなか楽しいものかもしれないと感じたのでした。