米国経済堅調:小売売上高、失業保険申請、NAHB指数、株価上昇、為替動向が示す景気の力強さ。今後のFRBの利下げ動向
アメリカ経済
昨夜いくつかの経済指数が発表されました。
--9月小売売上高--
米国の9月小売売上高は市場の予想を超えて、アメリカ経済の堅調な消費者支出が確認できました。
商務省のデータによると、小売売上高(前月比)が0.4%で小売売上高(自動車除くコア)0.5%の上昇が確認できました。
・小売売上高(前月比) :0.4%(結果)・0.3%(予想)
・小売売上高(自動車除くコア):0.5%(結果)・0.1%(予想)
小売売上高の数字は好調で雇用の強く、8月に発表した価格変動を調整されていない給与は0.5%の上昇をしていた。このことから、アメリカ経済の堅調さが窺える。
ただし、アメリカ経済の消費をひっぱているのは、所得階層の上位層になっている傾向だ。株や不動産など資産を既に多く所有している人たちが、資産価格の上昇効果を教示しており、貧富の格差が少しづつ大きくなってきている
--新規失業保険申請件数--
前回の新規失業保険申請件数は、ハリケーンの影響があり予想より大幅な数字になっていました。
今週の新規失業保険申請件数は予想ほど多くはならなかった。
・新規失業保険申請件数:24万1千件(結果)・25万7千件(予想)
これは、ハリケーンの影響でそこまで多くの人が失業しなかったことが考えられる。
--NAHB住宅市場指数--
NAHB住宅市場指数は、市場予想を超え小幅であるが上昇した。4ヶ月ぶりの高水準となりました。
・NAHB住宅市場指数:43(結果):42(予想)
指数が50を超えてはいないので、高水準とは言えません。
しかし、FRBによる金利引き下げの影響により、住宅ローン金利が低下し、住宅需要が改善されることが予測されます。
大手建設会社は、順調に利益を上げております。新規顧客が入る春のシーズンには、もっと好調になっているかもしれません。
--FRBの利下げ--
昨夜発表された指数の小売売上高・雇用統計・失業保険申請件数などを見ると、アメリカ経済が堅調なことが窺える。
その中で疑問になるのは、FRBの利下げがどうなるかだ。
今ででは2024年に後2回利下げを行う予想が大きかった。11月に0.25%~0.50%の利下げを行うのではないかとの予想が多かった。
現在、アメリカ経済は経済指数で堅調であることがわかってからは、0.25%の利下げか一時停止するのではないこと予測があり、おそらく0.25%の利下げになってくるのではないこと思われます。
--米国株--
昨晩の米国市場は好調な経済指標でした。米国株価はNYダウは過去最高値更新・S&P500は小幅安・NASDAQは微増。
昨日のTSMCの決算内容が好調なこともあり、NVIDIAを筆頭に半導体株が好調。先日のASMLのネガティブな決算内容を払拭するような内容でした。
銀行株は主要の銀行の決算が好調なこともあり全体に続伸。
・TSMC:先日、オランダ半導体メーカーのASML決算内容が予想より大幅に悪く、NVIDIAなどAI関連株が幅広く売られました。
翌日、TSMCの四半期決算が予想を上回り2024年の収益目標を引き上げた。
これによりNVIDIAを中心にAI関連株が上昇。
ASMLは中国を中心とした収益を上げているため、中国景気の影響を大きく受け、決算内容が悪かった。
TSMCはNVIDIAやアップルなどの半導体メーカーであるため順調である。
TSMCの株価は今年で70%ほど上昇しており、半導体の需要が確かであることがわかる。
・メルク:メルクはコロナ禍後の回復の兆しが見えてきており、売上と利益の見通しが再確認できたとしている。
ライフサイエンス分野やヘルスケア部門の強化を考えており、M&Aを検討していることを発表している。
--為替(ドル円)--
アメリカの9月小売売上高が発表され、好調なこともありドルが上昇。ドル円は149円台から150円台になりました。
米消費者と雇用が好調なことから、ドル買いに広がり、ドル買いが強まりました。
また、アメリカ経済の堅調なことから、FRBの利下げ圧力が弱まってきており、ドル円は上昇する傾向です。
--金(ゴールド)・原油--
・金(ゴールド)は好調で上昇し続けています。今年30%ほど金価格が高騰しており、来年も好調が続くと思われます。
各国の中央銀行が金を集めていたり、地政学的な問題、米大統領の不透明など要因で金価格は高騰しております。
・原油は中東情勢の問題で一時期は高騰しておりましたが、それが安定化し価格は下落しましたが反発しております。
多くの投資家は石油量の過多で原油価格を弱気で見ています。