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小説っぽいもの(読み切り・たまにポエム)

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創作小説・よみきりっぽいものまとめ。お時間あればどうぞ。
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狂おしいほどの、

あの日 胸に抱いて 死んでいこうと思った願い 魔法にかけられたように 不意にかなった 触れ合ったとき 気持ちが、かよいあった そう、思った でも、そう思ったのはわたしの錯覚だったのか 愛し方が違うだけ と言い聞かせてみても 逢えず、つのる想いは いくつもの長い夜を重ね 熟成する わたしのなかから あふれ、こぼれおちる愛しさ すべてのみほしてほしい もし、奇跡的に また、逢えたなら 覚悟をしておいて 狂おしいほどの愛しさと切なさで 酔い

どうか慎重に

暗い暗い海の底から にんげんに憧れ 地上にあがった娘は 次には まぶしい太陽に憧れ 『かわいくなりたい』 と思いはじめた だけど 思い描いているような『かわいい』には いつまでも辿り着けない 満されないまま 夜な夜な泣いている でもね あなたが『かわいい』といってくれたなら 娘はその言葉を疑いながらも ちょっとだけ気持ちが楽になるのだ だから娘に 魔法をかけてあげてほしい 『かわいいね』 と ただし うわべの言葉や優しい嘘だとわかった瞬間 娘は泡になって消え

忘れてしまった

いつも へらへらして 笑い飛ばして 受け流していたことが いまは なぜか ひどく胸にささって 深く深くささって 抜けない 抜けないどころか そこから膿んで悪いものが広がって 自分の存在が ひどく朧げに感じて 無意味に感じて 消えてしまいそうな気持ちになるし 消し去ってしまいたいような気持ちになる どうやって立ち直っていたか 本格的に忘れてしまって 大変困っている 頼れるひとは、 遠い存在になってしまった 大切なひとには、 できたら余計な心配をかけたくない 相談相手もま

味な店

突然だけど、みんな【コンカフェ】って行ったことある? 【コンカフェ】とは【コンセプトカフェ】の略称で、つまりは「コンセプトのあるカフェ」ってこと。 お店はコンセプト=世界観にあわせたメニューや接客・サービスをお客様に提供する。客はそのコンセプトを楽しんで、非日常を楽しむ、ざっくりいうと【コンカフェ】とはそういうところだと思う。一時期【メイドカフェ】が秋葉原をはじめ、全国各地で広まったでしょ。あれも一種の【コンカフェ】だよね。 ポピュラーなものからマニアックなものまで、い

令和米騒動奇譚

深夜、スマートフォンに着信があった。 画面に表示されたのは「実家」……電話に出てみると、お袋からだった。 『親父が大怪我をした。容態が危ない。病院にきてくれ』という。 お袋は軽いパニック状態で興奮しているらしく、言っている内容がなんだかおかしい。すぐにでも駆け付けたいと思ったが、実家は新潟。俺は東京在住。今から車を飛ばしても3~5時間はかかる。 とりあえず、新潟市内に住んでいる妹に連絡して、そばについてもらうように言い、俺は仕事用のパソコンと必要最低限の荷物を用意して

侵蝕

太陽がぎらぎら暑い そんな日は あなたのことを考える あまり汗をかかなそうなあなたでも 流石に暑いのではないですか Tシャツを替えるあなたの 背筋の動きを妄想したりする 激しい雨が地面を叩き続ける そんな日は あなたのことを考える 突然の豪雨に出会ったあなたは 静かに困った顔をするでしょうね 濡れた前髪やまつ毛にしたたる 水の滴を妄想したりする つまるところ わたしは  あなたのことがあたまからはなれない 心配は、親愛に似ている 愛だの恋だの 形のないものを形にしたが

この夏ほしいもの

暑さで火照っているから 甘い香りのバニラアイスなんかを口に含みたい でも食べたらなくなってしまうよね 形に残るものが欲しいけれど 形に残るといつまでも含んでしまったりして 寂しくなるだけなのかもしれず だったらいっそ 形に残らないほうが幸せなのかも とも思う 気持ちが火照っているから 身体が溶け出しそうだから どうせなら 蕩けるほどのやさしさ  が欲しい ……なんて、言ったら ひとつ、いただけます?

あなたを知りたい

「漫画家……さん、なんですか?」 ぼくは、手元にあるプロフィールカードに目を落としながら言った。 「あまり有名ではないんですが」 目の前にいる女性・ユウコさんははにかみながら答える。 ◇  ◇  ◇ 今日は、いわゆる婚活パーティーってやつに参加している。 ぼくは10回目の参加。 結婚願望があり、もう適齢期はとっくに過ぎている。なかなか運命の人に出会えない。そろそろパーティへの参加を終わりにしたい…そう思っていたが、なかなかうまくはいかないもんだ。 ぼくは気になっ

ショート・ショートを書きたい

わたしはショート・ショートを書きたい。 でもわたしは作品を短くまとめることが苦手だ。 わたしの物書きのスタイルは【感情に任せて書く】。 伝えたい内容を感情に任せて乱暴に書き綴っていくのだ。でも、そのせいだろうか、長文になりやすい。 長文になっても、読むに堪えうる壮大な超大作になるのならいいだろうが、そうなるわけでもない。元も子もない言い方になってしまうが、自分がもし話の筋を知らずに読む側に回ったら、こんなに長い作品は抵抗があるだろうな、と思う。 短い物語で、要点が伝

勇者さまっ!出番です(お気に入りストーリーまとめ版)

この物語についてこれは、選択肢によって展開が変わる「なんちゃってゲームブック風物語」としてかかれたものを1つのルートで最初から最後まで読めるようにしたものです。今回は、作者:駆動トモミ が一番気に入っているルートをご紹介します。 作者の思惑としては、ゲームブックみたいに分岐点を設けて、読者が続きを選択していくと、それぞれ違うラストにたどり着く、という遊びをしたかったのですが、そうすると結構読みにくく、まんべんなくあちこち読んでほしいな~と思ってもなかなかアクセスしにくいんだ

東京という街が

わたしは、結局のところ 東京が好きなんだろうと思う 札幌から東京にでてきた というと 『夢を追ってきた』 と言われがちだけど 実はそうじゃない 複雑な経緯があるがここでは省略する ただ、札幌から出たくて 住んでみたかった東京を選んだというのはある 東京が好きだと感じるのは わたしが憧れているひとや 大好きなひとが住む街だからなんだと思うし 空に向かってはえるビル群もとても大好きだし なにより たまに街へ降りていって すっと、雑踏に紛れると 自分の存在が消えてしま

ボートに乗ったカップルは、

この公園は、広くて緑が多い。 遊具もたくさんある。 大きな池にはボート乗り場もあって 家族やカップルで賑わっている。 みんな癒しを求めてやってくるみたい。 私も小さい頃からここで遊んでいる。 大人になった今でも散歩コースにしてるんだ。 でもね、この公園にはひとつ怖い話がある。 この池のボートに乗ったカップルは、 おひとりさまになっちゃうんだ。 ふたりを引き離しちゃうんだって。 根も葉もない噂だっていわれてるけど… でもきっと本当だよ。 あなただけに私の体験談を教えて

いろいろあるけど

最期に笑えたら いいんじゃないかなぁなんて思うんだ いまどんなにあわなくても そう思っている方が よほどいい未来が待っている気がするし そう願っている方が よほど夢を引き寄せられる気がしないか だから我慢しないで 笑っていようよ 泣いたっていい 怒ったっていいよ 歌っていようよ 時には離れたっていい なんなら殴り飛ばしたっていいんだ それができるのは 生きているうちだけなんだし あなたとわたしが 生きている時間は 意外に、短いんだ そして 尊いんだよ

シンギュラリティの憂鬱

むかーしむかし…2020年くらいだったかな? 「AIの技術が進歩すると、ニンゲンのやるべき仕事の役半数がAIに奪われてしまう」とかっていう妄想が流行ってたらしいですね? 実際…ここ2、30年のうちにAIはすごい速さと勢いで普及したんだ。しかもとても良い経済効果をもたらした。それは認める。AIの技術を導入して、瀕死の企業が人件費削減に成功してV字回復したり、画期的なAIを向上に導入した会社が世界トップレベルの企業にのし上がったり、いろんなミラクルを間近で見てきた。 でも、ニ