
侵蝕
太陽がぎらぎら暑い
そんな日は
あなたのことを考える
あまり汗をかかなそうなあなたでも
流石に暑いのではないですか
Tシャツを替えるあなたの
背筋の動きを妄想したりする
激しい雨が地面を叩き続ける
そんな日は
あなたのことを考える
突然の豪雨に出会ったあなたは
静かに困った顔をするでしょうね
濡れた前髪やまつ毛にしたたる
水の滴を妄想したりする
つまるところ
わたしは
あなたのことがあたまからはなれない
心配は、親愛に似ている
愛だの恋だの
形のないものを形にしたがるのは
悪い癖だ
厄介な心が身を滅ぼすのだ
いつだって
わかっているのにな
わたしはいま、境目にいる
ほんとうは
あなたという存在で
わたしをひたひたに潤して
あなたに侵蝕されていくわたしを
感じてさえすればいいだけなのに
そうして
輪郭が曖昧になり
形がなくなっていくまで
侵蝕されて
境界がなくなるまで耐えつつ
あなたをみつめているほうが
きっと
幸せなのに
なぜ形にしてしまおうとするのか
いまわたしに許されているのは
こうして言葉にすることだけだからだろうな
いいなと思ったら応援しよう!
