
本当に大切なことは何か~息子の部活動を通して感じたこと~
週末は
朝から1日、
息子のテニスの試合の
送迎係と応援でした。
春にクラブチームを
辞めてからも
部活動では
一生懸命
テニスに打ち込んできた息子。
とは言え
練習量は
明らかに、
他のメンバーより劣り…。
部内での順位は
ぐんと下がりました
そして、
今年入った
経験者の1年生にも
追い抜かれました。
葛藤もあったと
思いますが、
それでも、
腐ることなく
やれることを
精一杯やってきた息子。
ひと月ほど前に
部全体での
ペアの入れ替えが
ありました。
後衛の息子と
ペアになったのは
同じく後衛のK君。
はじめて
ダブル後衛のペアに
なりました。
新しいペアになってから
前方に来たボールを
全く打ち返せなかったり
中央付近のボールは
譲り合って
見送ってしまったりと
今までとは違う
課題に直面した2人。
これまでのやり方は捨て
ダブル後衛という
新しい戦い方を
身に付けていかなければ
なりませんでした。
ペアの入れ替え後には
テスト前の
部活停止期間もあり
新しいペアのK君との練習が
思うように出来ないまま
試合当日を迎えました。
クラブチームを辞めれば
他のメンバーとの差が
生じてくる。
それは十分承知の上での
決断でした。
でも、
最近の息子は、
順位が大幅に降格したこと、
これまで
信頼してやってきた
ペアと離れたことに
焦りと不安を
感じているようにも
見えました。
部活停止期間は
ユーチューブで
テニスの動画を見たり
庭の限られたスペースで
自主練をしたり
早起きして
ジョギングをしたり
していました。
かと言って
クラブチームに戻るか
と言ったら
答えは、やはりノー。
クラブチームに戻ったら
時間の全てを
テニスに奪われる…
それだけは
どうしても
嫌だったようです。
さて、
向かえた一昨日の試合は…。
初戦。
初っぱなから
中央に来たボールを
譲り合って
見送ってしまった2人。
その後も
同じようなことが続き
次々に点を許して
しまいました。
このまま
終わってしまうだろうか…
そんな不安が頭を過りました。
それでも、
祈るような気持ちで
応援し続けていると
2人の動きに
変化が見られ始めました。
さすがに、
このままではだめだと
思ったのですね。
試合の始まりの時より
やや前よりに立ち
行けるところは
思い切って行き、
お願いするところは
「頼む!」「お願い!」と
大きな声を掛け
相手を信頼して任せる。
試合の最中に
2人はみるみる
変わっていきました。
そして、
1試合目、
見事に勝利することが
出来ました。
迎えた2試合目。
その動きは
ますます良くなり
これまでの2人であれば
追いつけなかったであろう、
あるいは
取らなかったであろうボールも
果敢に取りに行き
見事に打ち返す姿が
見られるようになりました。
2人の意識が変わった…
そう思いました。
このまま勝てるのでは!
そう思いました。
最後の最後まで
力いっぱい頑張りましたが
残念ながら
惜しくも2回戦敗退。
負けたとは言え
2人には
まだまだ伸びしろがあって
これからに期待出来る…
そう感じられた
素晴らしい試合でした。
そして、何より
今、自分たちの出来ることを
精一杯やり遂げた2人の姿は
キラキラと輝いていました。
春にクラブチームを辞め
それでも
部活動は
真面目に取り組んできた息子。
結果として…
部内での順位は降格。
1年生にも
追い抜かれました。
それでも
自分は、
間違ったことはしていない
やれるだけのことは
やっているのだから
恥じることはない
自分の力を軽く見ることはない
そんな風に
自分のしてきたことに
誇りをもち
堂々と全力でプレーする姿は
本当に輝いていました。
会場までの行き帰り、
私の運転で
息子とペアのK君を
車で送迎しました。
帰りの車で
2人に声をかけました。
「今日の2人
とても良かったよ。
自分たちで
そう思わなかった?」
大人しいK君は、
黙っていましたが
息子は
「そりゃまあ、
全力でやったからね」
そう答えました
とても嬉しく、
また誇らしく思いました。
実はこの日
女子の部の試合で
印象に残るペアを見ました。
何があったのか
片方の子が途中から
棒立ちになりました。
もう1人の子が
あなたは手を出さないで
というようなサインを
出しているようにも
見えました。
あくまでも
そう見えたというだけですが。
戦意喪失したその子は、
ラケットを構える様子も
ありません。
それでも、時々
その子の目の前に
ボールが来て…
その時だけは打ち返しますが
決まりません。
ほとんど
1人でプレーする形で、
結局、そのペアは勝ち、
次の試合に進むことに
なりました。
試合後も、
戦意喪失した棒立ちの子は
笑顔一つ見せず、
コーチの前でも
2人の間には
大きな距離がありました。
勝ったとは言え
見ていて
何とも複雑な気持ちになる
試合でした。
実は
ペアとの関係で
息子にも、最近、
こんなことがありました。
K君とペアになった直後に
大きな試合がありました。
その時の結果は
2回戦敗退でした。
その試合は
無観客だったため、
詳しい試合の内容は
分からなかったのですが、
帰って来てからの息子は
明らかに
苛立っていました。
聞けば、
その日
朝からやる気のないK君に
息子の中で
何かがプチンと切れたのだそう。
試合にも
本気で臨んでいなかった…
息子は、言いました。
ただ、
これは全て
息子が感じたことであって
事実ではありません。
「もちろん表には
出さなかったけれどね…」
そう言って
しばらく黙っていた息子は、
「あー、
元のペアに戻りたい!」
そう言い放ちました。
息子は
全てをK君のせいに
しているように
見えました。
普段、
息子のこと、
取り分けテニスのことには
口出ししない私ですが
この時ばかりは
こう言いました。
「そうだったんだ…。
まぁ、色々あるよね。
ただ、これは
K君の問題ではないと思う。
○○がどうしたいかだと思うよ。
仮に、もしK君が
ずっとやる気がないのだとして
それでも
○○が真剣にテニスをしたい
と思うのであれば
○○の努力しだいで、
順位が上がって
ペアが変わることも
あると思う。
それに、
ペアを組んだばかりでしょ。
これからの練習しだいで、
ダブル後衛の強みが
発揮されていくかもしれないよ。
とにかく、
相手は関係ないと思う。
○○しだいだと思うよ」
息子が
どう感じたかは
分かりません。
ただ、
その後しばらくは、
同じクラスの友達でもある
K君との関係が、
ずっと気になっていました。
今回の試合の数日前。
思い切って
聞いてみました。
「ところで
K君とは上手くいってるの?」
「あー、大丈夫だよ」
と息子。
まぁなんとか
うまくやっているのだろう…
そう思いつつも、
これから
試合を控えている
2人のことは
やはり気懸かりでした。
試合当日。
朝の送迎の車の中で、
にこやかに
会話を楽しんでいる
2人を見て
心からほっとしました。
しかも、
2人は雑談ではなく
今日の試合について
話しているではありませんか。
2人の気持ちの変化を
嬉しく思いました。
会場に向かう途中
ナンバー『111』『8888』
の対向車とすれ違い
駐車場では
『777』
の車に遭遇しました。
ステキな1日になる…
そんな予感通り
この日、2人は
素晴らし試合を
見せてくれました。
スポーツには
勝敗がつきもの。
勝敗が決まるからこそ
面白いとも言えるのでしょう。
けれど、
本当に大切なのは
勝ち敗けではない
そんな風に思います。
もちろん、
どの子も
試合に出るからには
勝ちたいと思うでしょう。
でも、
勝ち負けは
あくまで結果であり、
そこに向かう過程にこそ
大切な学びがあり、
それこそが、
スポーツをする
醍醐味ではないかと
思うのです。
集団競技や
ペアで戦う競技は
個人競技と違って
仲間やペアに対する
様々な感情が
湧き起こってくるでしょう。
あー申し訳ないことをした…
あー何でそこで
決めてくれないんだ…
それは
仕方がないこと
なのかもしれません。
でも、
一瞬そのような気持ちが
沸き起こったとしても
大丈夫、
次こそは上手くいく
というように
その気持ちを祈りに変えて
プレーし続けて
いくことが出来るたら
それは本当に
素晴らしことだと
思います。
お互いが
精一杯プレーしているのならば
ミスをしてもおたがいさま。
調子が悪くてもおたがいさま。
例え負けても
次こそは
良い試合が出来るように
頑張ろう。
そんな気持ちで、
プレー出来たら
最高に幸せではないか
そんな風に思います。
息子の部活動を通して
親である私たちもまた
日々、たくさんのことを
考え、学ばせてもらっています。
これはこれで
有難いことだなと
感じています。
さて、最後にお礼です。
めぐまつさんに続き
はままゆさんが
新しい朝~私たち家族のこれから~を
オススメしてくださいました。
本当にありがとうございます。
心から感謝しています。