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【専門職向け】動作・姿勢の改善には「筋トレ」ではなくまず「感覚」を整えるべき理由

こんにちは、くどちんです。
今回は、日頃「運動指導」や「動作・姿勢」の改善といったサービスの提供を行っている運動の専門職向けの内容です。

もちろん、日頃運動を行っており、パフォーマンスのアップを目指している方にとっても参考になる話かなと思います。

動作や姿勢の改善、運動パフォーマンスの伸びにお悩みの方のヒントになれば幸いです。

【結論】運動は「感覚」から起こる

もったいぶっても仕方ないので、結論から話します。

僕は、動作・姿勢の改善には筋トレはではなくまず「感覚」を整えるべき、と考えています。その理由は、

「運動は感覚から起こる」

という医学的根拠があるからです(厳密に言うとちょっと足りない部分があるのですが、話がややこしくなるので割愛します)。
また、感覚をベースとして運動が発達するという運動発達学のルールにも則った考えです。

では、これらについて1つずつ説明していきますね。

理由①【運動】=感覚器→脳→運動器の流れで起こる

引用:一歩一歩学ぶ生命科学 より

これは、理学療法士であれば、学生になって最初の方に習うとても基本的な内容です。

運動というものは、まず「感覚」から始まります。

上の図では「火傷した!熱い!」という感覚をきっかけに運動が起こっています。

では、スポーツに場面を切り替えてみましょう。

野球を例えにしてみると、ピッチャーがボールを投げると、バッターはそのボールを「視(み)」ます。そしてバッターは向かってくるボールの動きに合わせてバットを振りにいきます。

つまり「運動」が起こるわけですね。

もう1つ身近な例を挙げてみましょう。
道を歩いていて、バランスを崩し転びそうになった場面を想像してみて下さい(きっと誰もが経験あると思います)。

バランスを崩した時、おそらくほとんどの人が「危ない!」と『察知』するでしょう。そしてその後で崩れたバランスを立て直すために足が(反射的に)出るはずです。

これも「感覚」から「運動」が起こっている例ですね。

しつこいようですが最後にもう1つ。
「姿勢」に関して。

お腹が痛い時、あなたはどんな姿勢を取りますか?
きっと、お腹を守るように身体を丸めた姿勢をとると思います。

これは「お腹が痛い・調子が悪い」という内臓感覚から起こる「運動(姿勢の変化)」ですよね。

流石にしつこ過ぎるのでこのあたりで止めておきますが、このようにヒトの運動は「感覚」をきっかけにして起こります。

筋力は、感覚情報を元にした脳からの指令の「判断材料」の1つに過ぎません。(筋力の状態も考慮した上で、脳は運動指令を送ります)。

つまり、動作・姿勢を変えることを考えた時、まず着手しなければいけない事は、動作・姿勢の変化の前段階にある「感覚の調整」ということになります。

これが「運動が起こる流れ」から考えた『感覚をまず整えるべき理由』です。

理由②【運動発達】感覚をベースに運動と認知機能が発達する

引用:児童発達支援・放課後等デイサービス ビーナスキッズ ビーナスキッズの感覚統合 より

では次に「運動発達学」の視点から考えてみます。

運動発達とは、とても雑に説明すると赤ちゃんが徐々に様々な動きのパターンを獲得していく過程のことです。

では、赤ちゃんはどのようにして寝ている状態から寝返り、ハイハイそして歩くことを獲得していくのでしょうか?

上に示した図は、子どもの運動や認知機能がどのような要素の積み上がりによって獲得していくか、ということを表したものです。

図をみると「感覚」を最下段にして、運動機能そして認知機能が積み上がっていることがわかります。

これはつまり、感覚をベースにして運動機能が発達していき、それをまたベースに認知機能や社会性が発達していく、ということを示しています。

例えば、姿勢の悪さが目立つ子どもの背景には「前庭覚」や「固有感覚」などの感覚情報が不足している可能性が考えられると言われています。

療育の現場では、このような考え方も併せて作業療法等を行うようです。

さて、ここまで話すとすでにお分かりかと思いますが、運動発達の視点から考えても動作・姿勢を変えるには筋トレではなく「感覚」というものが基本であることが言えます。

これが「運動発達の視点」から考えた『感覚をまず整えるべき』という理由の説明です。

【まとめ】まずは「感覚」を評価しよう!

さて、ここまでの内容をまとめます。

・動作や姿勢の改善には「感覚」を整えることが大事
・理由①:運動はそもそも「感覚」をきっかけに始まるから
・理由②:運動発達学の視点でみると、運動の発達は「感覚」をベースにして獲得するものだから。
・動作・姿勢の改善には「感覚」から評価すべき。

感覚の評価、というと様々な種類があります。
先ほどご紹介した運動発達のピラミッドを参考にすると聴覚・視覚・触覚・体性感覚・前庭覚・固有覚。

それぞれに評価が必要です。
ここは、実際の動きや現病歴や既往歴等の情報も考慮するとある程度スクリーニングが可能かと思います。

具体的な評価方法等については、無料メルマガの方で今後配信しようかと思いますので、ご興味がある方はこちらからご登録頂ければと思います。

今回の記事では「動作・姿勢の改善にはまず『感覚』を整えよう」ということが伝わっていれば幸いです。

今回は以上です。

ありがとうございました。


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くどちん@理学療法士ブロガー
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