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【読書感想】処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな

こちらの本はヴィレッジヴァンガードをウロウロしていて見つけた本。
こういう変わり種の本を探すのにヴィレッジヴァンガードさんは良い感じですな。

完全にタイトル買いをしました。

『処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな』

かなりパンチが効いたタイトルじゃないですか?
ちなみにこれ、アメリカの伝説的ロックバンド、NIRVANAのボーカル・カートコバーンが遺した言葉らしい。

ロックらしい荒々しい言葉のタイトルでありながら、淡く優しいイラストが特徴的な表紙。

はてさてこれがどんな本だったのか感想をお伝えします。

彼女は死んだ。
そして僕らは、出会った。

ねーねーねー。高校三年生の朝は、意外な声に遮られた。狸寝入りを決め込む僕に話しかけてきた同級生、白波瀬巳緒。
そして、隣の席の、綺麗な声が耳に残る少女、御堂楓。
留年し、居場所がないと思った学校のはずなのに、気づけば僕の周りに輪ができていく。
胸はまだ、痛む。あの笑顔を思い出す。でも、彼女の歌声が響く。
ほんのり温かいユーモアと切なさが心を打つ、最旬青春小説。

文庫本裏表紙より引用



中身はタイトルに似合わず完全に青春小説。
どれどれ…

プロローグはカップル2人がラブホテルで初体験を終えた朝のやりとりの描写から始まります。

めっっちゃいちゃついてる。
もう超ラブラブ。
開始5ページで感じたことは
「キツいな…読めるかな…」です。

しかし新品で買った本をそんな序盤で投げるのも勿体ないので読み進めることに。



ふむふむ。主人公は高校生か。
何らかの理由で留年してるらしい。

その周りには
美人でノリが良いけど自分をしっかりもってるギャル。
気が強いアニメオタク。
吃音症の女の子。

あ〜、いわゆる個性的な仲間ってやつね。

で、そのメンツで仲良くなってバンドをやるのね。
まぁ王道っちゃ王道だよね。



と、思いながら読んでいたのですが、

何これすごくいいじゃない。



この友情感がいい。
みんなキャラが立っているし、一人一人いい奴。みんな応援したくなるし読書感が気持ちがいい。


主人公が持つ過去がなかなかにあ辛く切ない。
が、バンドや仲間を通してそれを乗り越えていく姿は正直胸にグッとくるものがあるぜ。


読後はすごい晴れやかな気持ちになれます。
私はもうとうに青春なんて枯れ果てた男ですし、バンドなんてやっていませんでしたが、シンプルに「良い小説だったな〜」と思えました。


強いタイトルですがみんなにオススメできる本だと思います!

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