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「ハウス・オブ・グッチ」正義よりも強いもの #映画感想文
☕まずは映画概要
貧しい家庭出身だが野心的なパトリツィア・レッジャーニ(レディー・ガガ)は、
イタリアで最も裕福で格式高いグッチ家の後継者の一人であるマウリツィオ・グッチ
(アダム・ドライバー)をその知性と美貌で魅了し、やがて結婚する。
しかし、次第に彼女は一族の権力争いまで操り、
強大なファッションブランドを支配しようとする。
順風満帆だったふたりの結婚生活に陰りが見え始めた時、
パトリツィアは破滅的な結果を招く危険な道を歩み始める…。
☕多分有識者ほど楽しめる映画 おすすめ度★★★☆☆
出だしの軽快さ、ユーモア、演者の高い演技力でしっかり面白いと思えてしまうのだけど、事前知識があればもっと楽しめるのだと思う。
とは言え、映像はどこを切り取ってもフォトジェニックで
キャラクターの人間性もとってもよく伝わってきて
今誰が何をしているか、が非常にわかりやすい作りになっているので
置いてけぼりになることなく見終えられるはず。
濡れ場が攻めてるなぁ、と思った(笑)
まるで牛のようだな、と思ったけどもしかしたら牛の皮とかかっているのかな・・?
ポスターの緑色が好みってだけの理由で見たけど、見てよかったと思えている。
ただ、事実そのものを期待して見に行ってしまうと
なんだか違うなぁ、となってしまう可能性が高いので、
あくまでも物語として楽しむことをお勧めする。
以下、ネタバレを含みます
小市民なりに感想をつらつら並べていくよ。
☕親子の姿にグッと来た
私の想像する「お金持ち」って、殺伐としたイメージだったけど
グッチ家はそんなことなかったように思えた。
作中で一番印象に残っているのが、
パオロがGUCCIの株券を売ってしまったと知ったアルドが
「私は死んだ!」とひとしきり嘆き倒したあと、
パオロをしっかりと抱きしめるシーンだ。
ちなみにこのシーン、映画館では笑いが起きていた。
私もクスクスしていたひとりだけど、
なぜかはぜひ映画館で確かめていただきたい(笑)
アルドは、脱税等々で甥っ子(もといロドルフォの弁護士)に足をすくわれる羽目になるほどにはお金に執着を持っていたはず。
でも、アルドはパオロを殴るでもなく見捨てるでもなく、抱きしめた。
パオロはただ父に認めてほしかっただけだったし、
アルドは息子を馬鹿だと思いながらも愛していた。
GUCCIの株を手放してしまって、「死んだも同然」と言うアルドも
従兄に裏切られ、ついに自分のラインを持てなかったパオロも、
情熱を注いだすべてを失ったけど、残っている「家族」だけでも
失うまいと思ったのではないだろうか。
☕知識もお金も地位も、あるだけでは続かない
知識もお金も地位も、自分でそれらを使いこなせないことには
いつかすべて失ってしまうのかもしれない。
正直、主人公はパトリツィアでもマウリツィオでもなくて、
ロドルフォの優秀な弁護士だったドメニコだったと思っている。
ドメニコ視点で考えると、
あの暗い一族の破滅の物語も
GUCCIをあるべき姿へ戻した一人の男のサクセスストーリーに変わる。
GUCCIをただのビジネスだとしか捉えなかったアルドも、馬鹿なパオロも、一族を乗っ取ろうとするパトリツィアも、経営の才能にイマイチかけるマウリツィオも排除した。
ドメニコはGUCCIの番人として、
あるべきGUCCIへと導くことに成功したらしい。
それはドメニコが、
お金も地位もグッチ家の人間より持っていなかったけど、それらを十分に持ったグッチの人間を上手に使えたからだと思う。
結局、賢い人間が残るってパターンだ。
☕️グッチ夫人とお呼び
大胆で、ずる賢くて、魅力的なパトリツィア。
彼女の最後まで気高いところが私は大好きだ。
パトリツィアは結局、マウリツィオを愛していたのか、
GUCCIを手に入れたかったのか、どっちだろう?
私は両方だと思う。
というか、愛する夫も、魅力的なGUCCIも
全部手に入れたかったんだと思う(笑)
レディーガガは左利きなはずなのだけど、
最後に手帳にわざわざ右手で書いた「paraiso」はどういう意味だったの??
ハウスオブグッチを完全に理解するには
ちょっと知識が足らなさすぎたと思う。
有識者、解説求む。。
キャラクターの描き方がとにかく魅力的だったので
ぜひ映画館で体感してきてもらいたい。
それでは👋