見出し画像

ありえないタイトルの本

この前、本屋に行ったんですよね。
本に触れにいくとき、私は必ず語学書のコーナーをチェックします。
その時に、ありえないタイトルの本を見つけたんです。
具体的には「ハングル文法」というワードが入っていました。
そんな話をします。

本のはなし

少なくとも、ある程度言語あるいは朝鮮語に詳しい人なら、ハングルの正しい意味は知っていて当然だと思いますが、知らない人もいるかもしれないので確認します。

コトバンク

簡単にいえば、朝鮮語で使われる「文字」のことです。
つまり、ハングル=朝鮮語(韓国語)ではありません。
しかし、世の中には、「ハングル文法」という表現をする本が存在します。

出版書誌データベース

普通に考えておかしいですよね。
ハングルの文法ってなんだよ、となります。
日本語でいえば「ひらがな文法」とかですから。

誤った呼称

ハングル文法以外に、「ハングル文字」や「ハングル語」といった誤った表現が多く存在します。

まず、前者のハングル文字についてですが、「ハングル」は単独で文字のことを指すので、重言(頭痛が痛いやつ)となります。
しかし、このような表現は日本語にたくさんありますし、ハングル文法のように意味がおかしいわけでもないので、例え出版物の中に出てきても許容されるべきと思います。(言語関連でいえば、サンスクリット語という呼称など)

次に、ハングル語ですが、これはハングル文字と違って明らかに問題がありますね。
ですが、この呼称を使う日本人は思ったより多いです。
言語や朝鮮語をあまり知らない人が、この呼称に限らず誤った言い方をするのは仕方がないのですが、「韓国語」といえばいいものを、なぜわざわざ「ハングル語」と言いたいのか私には理解できません。
が、これはNHKの「ハングル講座」が一つの原因だとも言われています。
韓国語にすると北朝鮮側の関係者から、朝鮮語にすると韓国側の関係者からクレームが寄せられるのを避けるための窮策だそうです。(ソースは以下)

正直、個人的には誤った呼称はものすごく気になるので、たとえ無知であってもやめてほしいと思ってしまいますが、客観的に考えると許容されるべきでしょう。
そもそも、「ひらがな語」と言ったところで伝わるのでさほど問題はないと思いますし、それは韓国語についても同様です。

しかし、出版物においてそのような呼称を使うのは好ましくないですよね。
NHKのような理由があって意図的にそうしているんですかね。
間違っているものは間違っているので、あえてそれを広めるのはいかがなものかと思ってしまいますが、理由があって仕方がなくそうしているのならもどかしく感じます。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?