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「男の子」が「若い男の子」になると年齢が上がる話。日本語を考える

突然ふと思ったんですよね。
「若い」と言っているのに年齢が上がるのはなんとなく感覚に反します。
これが一部の母語話者にとっての認識か多くの人がもつ認識かがわからないので なんともいえないのですが。

年齢が上がる

これは本当なのでしょうか。
とりあえずXで調べてみました。

適当にいくつか見た感じ、小中学生以下を指していそうだなあという用法はありませんでした。

それはそうとして、考察を進めます。

<疑問>
「男の子」が「若い男」になると年齢が上がるのはなぜか

まず「男の子」の意味をはっきりさせたいので、調べました。

コトバンク

1と2の違いって何なんですかね。
1は男児とありますし、言い換えれば「少年」でしょうね。
他の説明も見てみましょう。

コトバンク

1は先の1(少年)と同じような意味ですかね。
男の子と若い男の子の関係性は、女の子でも成立するはずなので女の子の説明を見てみましょう。

コトバンク

2が気になります。
「女」ですから人生全体でみたとき、「若い」ということになります。(青年の女性以外に、少女を含むかは不明)
もう少しわかりやすく言い換えれば、「若者の女性」です。

コトバンク

「若者」の説明に「青年」とあるように、この語は(男性でいえば)少年より高い年齢を指すニュアンスが強そうです。

私が考えているのは、
男の子<若い男の子=若い男
です。

そもそも若いってなんだろうと思いました。

コトバンク

上代(要するに古代日本語)では幼少(少年)の意味が強かったのが、中古日本語以降で青年を指すことが多くなったみたいです。

コトバンク

ところで、この意味で、比較的若い男の子と考えると、「若い男の子」は小学生以下を指すような気もしますし、少なくとも単独の「男の子」より高い年齢を指すとは思えません。

男の子ではない

よくわからなくなって、もう一度「若い男の子」という言葉を見直しました。
そこで思ったのですが、この語は「若い子」の派生だと思うんです。
つまり、「若い子が男である」という意味で、別に「男の子」を指しているわけではないのでしょう。

そうならば、若い子の「子」はなんなんだという疑問がでてきます。

コトバンク

3のような意味で使われているのでしょうか。
しかし、単に「若い人」という表現をすればいいだけで、どうして若い子という言い方が存在するのかわかりません。

誰が使うか

またよくわからなくなってきたので、視点を変えてみます。
若い男の子という表現は誰が、どんな人が使うのかという話です。

はっきりとした根拠はないのですが、「若い子」より年齢が上の人が使うと思います。
少なくとも、おそらく若い男の子に含まれるであろう私は使いません。
要するに、この「子」は親しみを込めた言い方なんでしょう。
そういえば、年齢にかかわらず かわいいと愛されるペットは「うちの子」と呼ばれたりもしますね。(オリキャラにも言ったりするようです)

話の整理

どういうことか わかった気がします。
「若い男の子」というのは「(若い)男の子」
ではなく、親しみを込めて自分よりも若い者(というか若者)に「若い(男の)子」という意味で使う言葉なのではないでしょうか。

(アクセントについてですが、前者の場合、男の子の「ト」が高くなり、後者だと「コ」が高くなると思うのですが、実際使うときは区別せず、どちらも前者のアクセントになる気がします。これは意味がわかってないからなんですかね。)

つまり、男の子とは関係がないので、年齢が上がったわけではないということです。

さいごに

最後まで読んでいただきありがとうございました。
この結論が正しいのかはわからないですが、考える良い機会になりました。
よければコメントでみなさんの意見もきいてみたいです。

また、日本語を考えるシリーズは今後も定期的に書きたいなと思っています。
よろしくお願いします。

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