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ドゥードゥー 真っ白の世界の時から存在するお人形たち

息子は小さい時、お気に入りのタオルを持ち歩いていた。小さなお子さんにとって、ライナスのようにお気に入りの何か布的なものを手放せないというのはよく聞く。

大判のタオルは里帰りとか移動の時にとても困った。
チュパチュパおしゃぶりタオルにもなって、赤ちゃんのそばで見守ってくれるものがあったらいいな。
ちょうど次の本を出そうとしてた時(あ、結局出なかった幻の本)の目玉にしようって、編集者さんと話したのが「ドゥードゥー doudou」
フランスではたいていの赤ちゃんや小さなお子さんが持ってる、お人形やぬいぐるみのこと。

ちょうど同じ時期に双子の孫が誕生した。
実験台に近いうちのツインズは、私の手作り布おもちゃに囲まれてもうすぐ2歳になる。

はじめにプレゼントしたのが初代おしゃぶりタオル。息子はこれに「くまクック」「うさるん」と名付けた。

「くまクック」と「うさるん」は、小さく産まれたツインズの保育器のそばで見守っていた時もあった。

初代と書いたのは、実はこの子達は仲良しにはなれなかったのだ。
素材は「オーガニックのタオル地」
私が購入したタオル地のキメが荒かったせいか、そばに置いても、あまり口に入れたり握ったりしなかった。
ということで、これはこれで象徴的な存在として、今は私の部屋に置いている。

そして2代目。

生地はパイル。
他にもパイルでにぎにぎやガラガラを作っていたので、この素材がいかに赤ちゃんにとって心地がいいかは検証済み。
そしてこの二代目は、双子の大親友になってくれた。いつもそばにいて、必要な時に駆り出される。
頭には控えめになる鈴が入っている。4箇所の角には丸くカットした布を包んで、おしゃぶりしやすくした。
ママ曰く「頭の大きさが掴むのにちょうどいい大きさみたいです」

「この子達のことを『かわいーかわいー」って言うんですよ。
探すときも『かわいーは?』って。」
そして証拠映像を撮って送ってくれた。

双子の孫とともに過ごしたこの2年、木の葉の擦れる音に耳を傾け、風が頬を掠める現象に驚き、鳥を何分も追って眺めている。
真っ白の状態の人間はこうなのか、と、何度胸が熱くなったことか。
その真っ白な状態の時からそばにいる人形。
それは大人になった私が想像しているお人形とは、全く違う価値観の中に存在するものかもしれないなと思う。
人形を動かすと、本当に生きているかのようにじっと見つめる子どもたち。
彼らの中ではぼんやりしていた世界の頃からずっとそばにいる「くまクック」と「うさるん」

いつかそれが思い出のお人形に変わるまで、双子たちをどうぞよろしく。

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