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デザイナーが言葉を学ぶ大切さ

原研哉さんと阿部雅世さんの対談本「なぜデザインなのか。」を読みました。

内容は多岐にわたり、コミュニケーションの話、教育の話、、ヨーロッパの話、暮らしの話、文化の話などデザインを基軸として様々に展開されていきます。

今回はその中の一部ですが、デザイナーにとって言葉を知り、扱うことがいかに重要かということを再認識したので、そちらについて書きたいと思います。


言葉で伝える

”デザイナーは説明のプロでなければならない”

自らを説明のプロと言えるデザイナーはどれくらいいるでしょうか?

確かに、どんなに素晴らしいアイデアが思いついても、クライアントに納得してもらわなければデザインをすることはできません。

デザイナー以外の人からするとデザインというものは形になったり成果が出るまでは非常に曖昧で分かりづらいものです。

思いついたアイデアを通すために、ロケ撮影を行うために、熱量を持ってもらうために、クライアントだけではなく、カメラマン、コピーライター、ディレクター、営業など、プロジェクトに関わる様々な人たちにそれぞれに適切な言葉を駆使して説明し、納得させる必要があります。

原研哉さんは本書で「仕事の大半は企画書と依頼状」とおっしゃっていますが、それだけ納得してもらうために言葉で説明することを大事にされています。

考えているディティールやヴィジョンを詳細に伝えるためには、どんな言葉を選び、どれくらいの分量で語るのか。それは伝える相手によっても変わってくるため、多くの言葉を知り、扱えるようになることが重要だと認識しました。

※デザイナーがアウトプットに対して説明することの重要性については、以前にも少し書きました。

言葉で感じる

”言葉は非常にデリケートなものに、感受されるべき輪郭を与えてくれるものです。”

日本語には雨に関する言葉だけで1,200語以上あり、日本人は繊細な感覚を持っているということを聞いたことがありますが、その話を連想しました。

大げさかもしれませんが、一つ言葉を知ることでその後の世界の見え方が変わってくるような気がします。多くの言葉を知っている人とそうでない人では、世界の見え方が大きく違うのかもしれません。

知っている言葉の数だけ感受性が豊かになるのであれば、人生の早い段階で多くの言葉を知ることで、その後の知識の吸収力が変わってくるように思います。

まとめ

2007年の本ですが普遍的な内容ですし、お二人の表現方法や語りがとても美しいのでデザイナー以外の方にもおすすめの一冊です。

私自身とてもじゃないですが説明のプロとは言えないですし、多くの言葉を知っているということも無いので、たまらなく日本語の勉強がしたくなりました。

かなり安い価格で古本が出回っているので読まれていない方は是非読んでみてください。

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