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明らかに日が長くなった

毎日、ほぼ決まった時間に退社できる幸せを味わっている。
空の見える窓があることも重要だと改めて気付いた。
晴れの日、雨の日、流れる雲、強い風。朝日の反射、夕暮れの赤。
窓を隔てていても視覚で感じることができる。

不用意に日光や外気を受けず、空調が機能している安定した空間で一日を過ごすことも、ある意味恵まれているといえるかもしれない。
私が最後にいた職場環境は完全に屋内で建物内部。どこかに窓があっても暗幕や板で塞がれた空間だった。
残業を終えて真っ暗な外にでて初めて、濡れた地面や水滴の凍った車でその日の天気を知ることもある。帰宅したあと見るニュースで、その日の寒暖を初めて知ることもある。
慣れれば、そんなものである。
でも今振り返ると、戻りたくない。

夕方、退勤して外に出ると、暗い空の西のほうがまだかすかに明るさを持っていた。少し前まで完全に暗闇だったことを思い出して、明らかに日が長くなったことを実感する。

信州での暮らしなら、ここから最後の光を頼りに庭仕事をする。
東京での暮らしは、すでに人工的な明かりに満たされた街を歩いて帰路につく。



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ケイ
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