ETC2.0の可能性
こんばんは。けいえすです。
思った以上に普及の進んでいないETC2.0。
そもそも従来のETC(1.0)と何が違うのか?どのようなことができるようになるのか?どんなメリットがあるのか?理解していない人多い思います。
すでに大きく普及が進んでいるETC(1.0)があり、これだけでかなりの利便性向上が為されているため、更なる技術革新されたサービスには普及がかかります。
本日は簡単にETC2.0とETC(1.0)の違いや、今後ETC2.0が秘めている可能性などについて解説していきます。
ETC(1.0)とは何か
これは皆様既にご存じの通り、有料道路の料金収受システムとなります。
Electronic Toll Collection System
高速道路システムの一つで、有料道路を利用する際に料金所で停止することなく通過することのできる、ノンストップ自動料金収受システム。自動車にはETC車載器+ETCカードの設置、有料道路出入り口には無線通信するためのげーと設置が必要となる。
建設省(当時)と道路四公団(日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団、本州四国連絡橋公団)が、1994年に共同で研究開発を開始し、2001年から本格運用を開始させたサービスになります。
※道路四公団は2005年に民営化された。Nexco東日本他。
ETC(1.0)は既に累計約9,000万台がセットアップされており、利用率に関しても92.1%と、非常に高い水準で普及していることがわかります。(2019年データ)
また首都高速のETC利用率のデータを見ると、その利用率の高さもうかがえます。
全体でのETC利用率は96.3%。また大型車や特大車などの商業車両では99%を超える利用率となっています。このデータからも既にETCは普及しきっているサービスであることがわかります。
ETC2.0とは?ETC(1.0)との違いは?
ETC(1.0) → 料金収受のみの単一サービス
ETC2.0 → 大容量かつ高速で双方向通信機能があり、多彩なサービスが提供可能
これまでのETC(1.0)は有料道路の料金を支払うだけのサービスプラットフォームでしたが、ETC2.0はこれまで以上にたくさんのデータを速く双方向にやりとりできるサービスプラットフォームにアップデートされています。
何ができるようになるのか?
これまで以上に最適なルート案内が可能となります。
現在、全国の高速道路上に約1,700か所に設置されている「ITSスポット」と呼ばれるアンテナからデータを受信できるようになりました。そのため、進む先の道路上で発生している「落下物」「渋滞・追突注意」「事故・規制」、さらに「災害時の道路状況」などを知らせてくれます。
これまでもあった「VICS情報」とは何が違うのか?
従来のVICS情報はFM多重放送(NHK等、各地のFM放送局)により、当該都道府県とその周辺道路交通情報が提供されていました。
つまりVICS情報のカバーエリアはあまり広くは無かったのが、ETC2.0になることで進行方向約1,000キロ先までの交通情報を元に、最適なルートガイドが可能となるのです。
ETC2.0の利用メリットは
現状においては利用メリットは乏しいと言えます。そのためETC(1.0)と比べるとまだまだ普及が進んでいないのが実態です。
ETC機器入替の費用もかかりますし、上述した通り既にETC(1.0)が普及しており、更なるお得感やユーザ体験価値が必要になります。
一部高速料金の割引(圏央道など)は行われているようですが、わざわざそのためだけに入替を検討するユーザはいないでしょう。
ETC2.0の秘めたる可能性
ETC2.0のメリットは乏しいと書きましたが、秘めている可能性はかなり大きいと個人的には感じています。
今後は高速道路上だけでの利用にとどまらず、コインパーキングでの支払いやガソリンスタンドでの支払いなど、自動車で利用するありとあらゆる場面での活用が期待できます。
すでに一部では新たな試みの実証実験も開始されています。
このようなユーザの体験価値を最大化できるようなサービスを展開できるかどうかで、ETC2.0の普及速度は変化してくるものと考えます。
さらに突っ込んで調べる必要はありますが、ETC2.0が普及するとどこの省庁の懐が温かくなるのか?もちろん国交省ではあると思いますが、キャッシュレスの文脈だと経産省であったりするため、財源の取り合いみたいなことが水面下でなされているのかな、と勝手に想像しています。(想像です!合っているかどうかわかりません)
また、ETCの読み取り機の廉価版が、どのタイミングで発売されるか次第でしょうか。現在のコインパーキング精算機・ゲート等は一式大体100万円を切る程度だと聞いています。少なくとも同等価格に抑える必要があります。
このコロナ禍の中、キャッシュレスさらにはタッチレスが重要視される世の中になってきています。今後のETC2.0の普及に期待です。