日本にもやっと来た、スーパーアプリの波とは?
お疲れ様です。
けいえす(35歳)です。
昨日のニュースでも大きく取り上げられておりましたが、ヤフーを傘下に持つZホールディングスが、クレジットカード、銀行など主要な金融サービスの名称を「PayPay(ペイペイ)」に統一すると発表しました。
これまでも既にPayPayアプリ内で、Zホールディングス傘下の金融サービスを利用することはできたが、ブランド名を統一することにより、PayPayを主軸にしたコンシューマー向けの金融サービスの強化していく姿勢が伺えます。
さらに最近では、金融サービスにとどまらず飲食店のピックアップサービスや、チケット、ECなどの周辺サービスのミニアプリを続々とリリースさせています。
このように、一つのスマホアプリをプラットフォーム化し、様々なサービスを利用できるアプリを、スーパーアプリと呼びます。今回はスーパーアプリとは?ということで解説していきます。
スーパーアプリとは?
前述した通りではあるが、一文で説明すると
スーパーアプリとは、これまではメッセージ/SNS/決済/送金/EC/各種予約など、個々のスマホアプリを起動させなければならなかったが、一つのスマホアプリをプラットフォーム化することで、これらの各種サービスを一つのアプリ上で完結させてしまうアプリのこと。
つまりは万能アプリだと理解すると分かり易い。以下スーパーアプリを図解してみました。オレンジ色の部分がスーパーアプリを表現しています。
左側の図の通り、これまでは一つ一つのアプリは独立したものとなっており、裏側ではID連携をしていたかもしれませんが、アプリの入り口・UIの面ではバラバラになっていました。それが右側のように、一つのスーパーアプリ上で完結するようになります。また、一つ一つのアプリをミニアプリとも呼びます。
フラー株式会社の「モバイルマーケット白書2019」によると、日本人のユーザ当たりの平均所持アプリ数は99.3個、利用アプリ数は37.5個と報告されています。
これだけ多くのアプリのID/Passwordの管理や、都度クレジットカードや口座の紐づけは非常に煩わしいですね。このめんどくさいプロセスを全て解消してくれるのがこのスーパーアプリなのですね。
何かをやるごとに、アプリを開いたり閉じたり、登録したり解約したりする煩わしさを解消するというこのUXが、スーパーアプリが必要とされる理由の一つなのかもしれません。
中国のスーパーアプリ2台巨頭 WeChatpayとAliPay
スーパーアプリという発想は日本発でもなく、米国発でもなく、中国発となります。しかも4~5年前から中国ではごく当たり前のように広まっていました。
コロナ禍以前に中国人観光客が日本に押し寄せていたころから、街中のコンビニや薬局、レストランなどでこんなマークを目にしていますよね。
支付宝(ジーフーバオ) → アリペイ
微信支付(ウェイシンジーフー) → ウィチャットペイ
スーパーアプリを語る上ではこの2つのアプリは避けては通れません。残念ながら、日本人が日本国内で使うことはできませんが、最近では日本人(外国人)が中国内で使うことができるようになりました。以前は、中国の銀行口座を持っている人でないと登録ができませんでした。
私も3年前に上海にいたことがあるのですが、この決済アプリが無いと暮らしていけませんでした。
当時は決済がまだ中心ではありましたが、今現在では何をやるのも微信支付で、コンビニや露店での支払い、タクシー(DiDi)の配車、デリバリーランチ、同僚との割り勘、全てがこのアプリを通して行われているようです。
簡単にAliPayとWeChatの生い立ちを。
AliPay
中国アリババグループの決済及びライフスタイルサービスで、主にオンライン・オフラインでの決済機能を提供している。なんと2004年からAlipayのサービスを提供していました。当初はスマートフォンによるQRコード決済ではなく、アリババグループ運営のECサイト内で使える決済サービスでしたが、オフラインのリアルの世界でもQRコードを使った決済サービスへと発展していきました。現在ユーザは全世界で約10億人と言われています。
WeChatpay
中国IT大手企業であるテンセント社が開発した、SNSアプリ「微信」(ウィーチャット。日本でいうLINE)のペイメントサービス。2013年からスマホによるQRコード決済サービスを展開開始。2015年頃から日本のインバウンド店への導入が広がった。
このようにだいぶ先を走っている中国のスーパーアプリ!日本はPayPay含め、今まさに覇権争いが繰り広げられている。
日本でのスーパーアプリ覇権争いの行方
まずは日本におけるQRコード決済事業者の比較を見てみましょう。
やはりソフトバンク傘下のPayPayが大幅リードしている状況です。YahooBB!の時と同じく、大量の営業人員を全国に派遣して、一気にシェアを取りに行く戦略が功を奏しているようです。
しかしこのランキングからも分かる通り、この1~2年でQRコード決済サービスが乱立しており、正直ランキング下位のサービスで聞いたことも見たこともないようなものもあります。
恐らく今年から来年にかけて、統廃合が進んで中国のように2つ、または多くても3つ程度に絞られていくと市場では見られています。
そんな中、昨年2019年12月末に驚きのニュースがありました。
PayPayの親会社であるZホールディングスとLINEの経営統合です。これは衝撃的でした。
世界で戦えるAIテックカンパニーを目指す
これにはIT業界に身を置くものとしては痺れました!
と、話が少しそれましたが、親会社の統合により各社のペイメントサービスもいずれは統合されていくのでしょう。そうなると、日本では完全一強体制が敷かれるのではないかと感じています。
日本No1シェアを持つ決済サービス
PayPay
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日本No1シェア(もはや一択)を持つSNSサービス
LINE
恐らく彼らは日本など眼中にはなく、いかにPayPay・LINEのプラットフォームを活用して、海外シェアを取り込めるのかが今後の大きな戦略の柱の一つとなるでしょう。
LINEも東南アジアではそれなりのシェアはありますが、中国のAlibaba、WeChat、米国のワッツアップ、さらには各国発の地場アプリであるゴジェックやGrabが、決済や配車サービス等を中心にしたスーパーアプリを既に展開しており、厳しい戦いが予想されます。
経営統合はコロナの影響で2020年10月に後ろ倒しになったようですが、Zホールディングスの持つ金融サービスのPayPayブランドへの統一は、世界戦も見据えての足場固めといったところでしょうか。
ますます目が離せないスーパーアプリ合戦。日本連合軍に頑張ってもらいたいと思いますが、どのような戦略を打ち出してくるのか今後ますます注目です!!