漢方仙人による漢方逸話『お天気が悪くなりはじめると頭痛が・・そんな悩みにも漢方じゃ!』の巻
皆さんは気象病という言葉を知っておるかのう。
気象病とは病名ではなく、気候や天気の変化が原因で起こる身体の不調の総称でのう。よくある症状としては、頭痛、疲労感、めまいなどの症状が発生するといわれておる。また、この症状は女性に多いというデータもあるのう。
気象病の漢方的な考え方としては、気圧の変化などで体の中に水分代謝異常が生じ、頭痛などが起こると考えておる。これは、湿邪(しつじゃ)という漢方用語で表現される状況じゃ。
この湿邪を改善し、頭痛を治す作用がある漢方薬が五苓散(ごれいさん)じゃ。猪苓(ちょれい)、白朮(びゃくじゅつ)という生薬を中心に、利尿作用で体の中の余分な水分を体外に排出してくれる処方じゃ。
中心生薬の猪苓はキノコの仲間であるサルノコシカケ科で、地下10mくらいに埋まっておる。掘り出して地面に置くとイノシシ(猪)の糞と区別がつかないところからこのネーミングになったと言われておるのう。
ちなみに、猪苓をネーミングに使用した漢方薬に猪苓湯(ちょれいとう)という処方があって、この漢方薬は排尿痛などに使うのう。
今回紹介した五苓散は天気が悪くなる前や低気圧が近くなると頭痛がするなど、低気圧頭痛なども含めた気象病頭痛には最適の処方といえよう。
今回はここまでじゃ。
読者の方に少しでも興味が生まれ、漢方に触れるきっかけになれたなら嬉しいのう。
それでは、また次回じゃ~!