嫌われる勇気なんてない
こんにちは、はらです。
テレワークもそろそろ終わりそうで、初出社の日が近づいてきていると思うと楽しみに思う反面、この生活を惜しむ気持ちもそれ以上に強いことに気づきます。
ゴールデンウィークも終わり、思うように本が読み進められなかったのですが、今回読んだ本は「嫌われる勇気」です。
言わずと知れた自己啓発本の源流とまで呼ばれる本です。
後で知ったのですが、メディアミックスまでされているそうで、自己啓発本の範疇を越えて大衆に知られている本なんだな、と改めてこの本の知名度には驚かされました。
本の概要
この本ではアドラー心理学の教えを哲人と青年の会話を通してわかりやすく教えてくれます。
世界はとてもシンプルだという事
変えられるのは時分だけ、他者の選択は自分の関与するところではないという事
自由、不自由のアドラー的とらえ方
具体的な行動指針
……
青年はすがすがしいほどに哲人に対して反抗的な態度を貫き、読者の突っ込みを代弁してくれます。それによってアドラー心理学をより深く理解できる構成になっていてとても読みやすいです。
本の感想
僕の高校までの行動基準は「人に嫌われない」でした。
かなり極端な八方美人だった時期もあります。
その時の自分には痛いほど刺さる言葉が淡々と並べられているこの本は、大学生活を経てその傾向が薄れた今の自分にもとても心の深い部分に触れてくるものがありました。
人に嫌われない生き方は時に息苦しさを感じることもありますが、それを受け入れられるほどに楽な生き方でもあります。
なぜならすべての行動が嫌われないことを目的としたものなので、基本的に嫌われることや攻撃されることがないからです。多少の息苦しさは目的の達成に比べればさしたる問題ではありません。
しかし人に好かれるかどうかは自分の行動には関係ないという事がこの本では言われています。相手がどう思うかは自分の関知できる範囲ではないと。
つまり自分が何をしても嫌ってくる人はいるし、その逆に何をしても好いてくれる人はいるのです。
それを大学生活の中で実感したエピソードがあります。
サークルのある先輩はその学年のリーダー的存在で、その学年の人にはとても優しく、好かれていました。
しかしその先輩はなぜか最初から僕には冷たく、「嫌われたくない」が行動基準の僕はとても苦心しました。
その先輩に好かれるように努力しましたが、結局それがかなうことはなく、後からその先輩が「あいつの迎合するような態度が気に入らない」と言っていたことをほかの先輩から聞かされました。
それでは僕のことを好きになるはずがありません。
この出来事を経験してから僕の今までの「嫌われたくない」という行動基準は薄れていきました。
この本の弁を借りるのであれば、この先輩は「”僕を嫌う”という目的のために僕の態度を見ていた」という事になります。
はからずも自分の体験が本によって根拠づけされる形となったのはなんだかむず痒い気持ちになりますね。
しかしどうしてもまだ僕は「嫌われる勇気」をもつことはできそうにありません。
何か考えるときにはいつも人の影がちらつくのです。
もちろんこの本には「積極的に嫌われろ」とは書いていません。あくまで「嫌われることをおそれるな」という趣旨のことが随所にちりばめられています。
しかしこの本には「一般的にアドラー心理学の考え方を生活に取り入れるには、今まで生きてきた年数の半分がかかる。」とも書かれています。
つまり今年で24歳になる僕がアドラー心理学を日常で実践することができるようになるには36歳までかかる計算になります。
、、、ずいぶん先ですね
つまり焦ることはないという事です。明日から変わることができるとは書かれていますが、どう変わるかすら自分の自由なのです。
そして変わるのは自分だけと考えれば何も難しいことはありません。
まずは自分の行動に対しての見返りを求めるのをやめることからはじめたいと思います。
貢献は他者からの評価が目的ではなく自分が貢献できたと実感することに目的があるのだと考えを改めて。
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