八幡平と姫竹
朝9時過ぎ。山へ向かう。
空は曇りだが、タケノコ取りには程よい気温だ。
晴れすぎてムシムシする金曜日に息子からの誘い。
「八幡平に行くか?」
断るわけがない!山だもの。
義弟夫婦も誘って、前の日に冷凍しておいた舞茸ご飯を昼用に持つ。
息子を送ってきただけの、バスケのクラブがあるという孫と嫁もクラブには間に合うから!と強引に誘う。
サンダル(クロックスというらしい)と半袖の孫に、ばあばのシャツを着させたが流石にダブダブ。
娘が「さすがにそれはひどいよ」と自分のパーカーを着せて、
「ほい、いづみちゃん(嫁)、帽子」「ア。ハイ」と素直な嫁。
いざ車で出発。
八幡平に到着すると道路から少し入ったところに、立派ではないが「あるある!タケノコ』
竹藪をかき分けて、孫を後ろに「ホレ、あそこにある」「ホラ、あそこ」と、最初は渋っていた孫も始め採りたら面白いらしい。
クロックスを履いて右手に大人用の軍手、娘のパーカーでズンズン上に行き、タケノコを見つけてはとっている。
ふむ、少しはたくましいところもあるか。
甘ちゃんで少々心配なところもあったが。
生きて元気が一番で、今から大いなる期待など考えもしないが、もう少し逞しく育て〜〜と思っていたが、なになに、やる時はやるじゃん。
一方、嫁は「虫が嫌だ」と車の横で見守っている。
こんなに面白いこと、子供と一緒にやるべきだよ、と言おうが「虫きらい」の一点ばり。
仕方ないなあ。
それにしても山は春を過ぎてもう夏。
深い緑からうすい緑まで桃色のガザ(空木)、白い山ぼうし、水芭蕉、ナナカマドも花盛りだ。
所々に雪を見て、頂上へ。
肌寒いけど気持ちいい〜〜。
ドラゴン・アイが見えるというが、帰る時間も心配なので車に戻って昼ごはん。
持ってきた半解凍の舞茸ご飯を手で温めて、温かい紅茶をポットから注いでホッと一息。
さて、風呂に入るか。せっかくだから藤七温泉まで向かう。
古びた温泉ながら、格別の泉質の湯に満足満足。
さて、タケノコの処理。それから私と話したいという貴重なお客様が来るという連絡が。義妹にタケノコを茹でてむいておくよう話して一旦店に向かう。
ところが帰ってみるとどうやらタケノコのむき方を知らなかったらしい。
「こうするのよ」「爪が立たないところは切って捨てるの。ホラ、こんな風に」と命令。
「あっ、そう」と素直な義妹に言いたい放題の私だ。
タケノコご飯、タケノコと油麩の煮付け、タケノコとマッシュルームのバター炒め、ゴボウの素揚げ。。。とどんどん作り、義弟と息子はまだ明るいうちから乾杯してる。
久しぶりの家族が集まっての食事。
当たり前のことだが、生きて楽しむゆとりは欲しい。
コロナという得体の知れない不安から、早く脱却したいものだ。
それにしても山は良かったな〜〜。
岩手県の北部にある標高1,614mの八幡平、その山頂付近(1,400m)に位置する温泉。白濁したお湯なので、開放感あふれすぎる露天風呂だが、なんか恥ずかしくない。というか、これほど雄大なところで、何を隠すことがあろうかという気持ちになる。
八幡平の大自然と秘湯感を味わいたいなら、ぜひお勧め。