3月の読書メーター感想まとめ
3月は2月同様に通勤の間にaudibleを聴きながら、休日等に図書館の本を読むというサイクルで僕の中では通常月よりも本を読んだ月になりました。audibleのキャンペーン期間が今月半ばまでなので、頑張って聞きたいと思います。通勤途中はリラックスしてポッドキャストしたい気もするけど、インプット欲を満たして勤務に集中するという意味ではいいような。audible解約どうしようかな。
その裏で楽天とかのセールで読みたかった電子書籍とか中古本を買って積読本が増えていく•••。
今月はオードリー•タンという存在を知れたのが大きかった。寛容性と多様性とデジタルを強く維持させられたし、その合間にダーウィンについて読んだので社会生物学に興味が出てきた。あと科学への興味も上がってきた。
読んだ本 17冊
読んだページ 3368ページ
感想・レビュー 17件
ナイス 113ナイス
重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る (幻冬舎新書)
audibleで読了。ふむふむ、そういえば重力は一般相対性理論で空間が歪むとか聞いたことあるぞと思っているうちに、ブラックホールの情報が表面にしかなくて弦が開いて張り付いているとか意味不明な文が続く…すごいな現代物理学。宇宙の始まりとか終わりとかにすごい怖くなった。でも、興味深い。数学が出来たらなー。
ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)
Audibleで読了。タイトルが衝撃的で、まさかそんなことが!?と思って手に取りたくなる。でも、もしもの世界で社会構造が変わって「関数を積分できない非行少年たち」だったらと思うと納得する。ともあれ非行少年は僕がたまたま通らなかった道を通った僕なのだと改めて感じた。それが何らかの障害によるものの可能性があるのならば、支援にコストを投じるべきだと思う反面、もしその被害に自分、もしくは自分の周りの人があってしまったら冷静にいられるだろうか。読んでる間ずっとぐるぐるしてた。
生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)
audibleで読了。永く生きたのでは無い、永く翻弄されただけである。予備知識なしで読み始めたけど、耳が痛い言葉の数々はストア派だからか。人生の時間に何かに一生懸命打ち込んで過ごしても、後で後悔することはある、そんな時人は人生の短さを嘆く。それはいつの間にか環境要因に急かされてるから。常に環境効果を排除して自分の遺伝的効果を発揮し続ける事と理解した。富からも身体からも過去の自分の意志からも開放されないといけないのではないか。 後半は富を持つことに対する言い訳が並んでちょっと萎えてきた。
よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑
audibleで半分ぐらい読了。言葉よりも相手に対して誠実さ、真摯さを持って接することが寛容である。一方で誠実に相手を思うからこそ、無用な心配をかけぬように、不必要に不快にさせないために言葉に気を使う必要があると感じた。一方で同じ文言でも、その返事のスピードや表情によっても相手に伝わる印象は変わってしまう、僕には難易度が高すぎる。だからかっこ悪くて効率が悪くても誠実ではありたいと思う。
角川まんが学習シリーズ のびーる国語 慣用句
すずめの涙の語彙力である私は、自分の文章が味も素っ気もなくて、うだつが上がらず、頭を抱えてて気に病んでいた。語彙も意味が取れるのと使いこなすのが同じだと思うとお門違いなわけで。小学生の娘が読んでいたこの本に、虫がいいことに耳を傾けることにした。我が娘ながらお目が高いし、目をみはるわけです。わらにもすがる思いで、我を忘れて、挙句の果てにこの文章を書く。この本で、腕を上げて、胸を張って、朝飯前にいや、板につくように語彙を扱えるようなりたくて、文章力に芽が出てほしいと心に刻むわけです。
ダーウィン:進化の海を旅する (「知の再発見」双書)
本書の一番面白かった所は、ビーグル号のフィッツロイ艦長は乗り込むことになったダーウィンの鼻の形を見て、はじめは申し出を断ろうかと思ったという箇所。よく考えたら、犬好きでペットからも多くの進化論的な証拠を得たダーウィンが乗ったのが、ビーグル号っていうのが運命を感じる。ダーウィンの生涯や周りの人間関係を紹介しながら、この本における著者の一貫したテーマはダーウィンが優しい心の持ち主だったということ、決して人間は人間の選択淘汰等で、差別されていいものではないという心を持つこと。ダーウィンの著作にあたりたい
ハムレット 〜騎士ホレイショーが語る王子の物語〜
audible で読了。ハムレットは生きるべきか死ぬべきかという言葉しか知らなかった。今回、実際のあらすじを聞いて、最初はそんな不幸と欲望と企みの連続ある?って現実感なかったけど、ハムレットの心情に寄り添えば、リアリティと最後のクライマックス感が感じられた。でももっとじわじわ耐えて耐えて復讐するのが好きかも。あと、こうやって駄目な王国が滅びていくんだろうなと感じた。政治体制大事。
Au オードリー・タン 天才IT相7つの顔
audible で読了。これまで読んだ本は自分で語った本だったが、生い立ちから細かく、母親や他の人の視点も交えながらよりその人物像に迫れたと思う。全然関係けど、タンさんに相談に来たソーシャルベンチャーの社長の話で、借金で家を差し押さえられて、家族も後ろ指刺されてるのに、娘が「どこでも家族が一緒に住んでれば家だ。誰が何と言おうと父は社会の模範になろうと頑張っているから誇らしい」的な事語ったって書いてあって、ただ涙がでた。
トマ・ピケティ『21世紀の資本論』を30分で理解する! (週刊東洋経済eビジネス新書 No.76)
audible で読了。「21世紀の資本論」がデータを収集して、経済成長率や労働者の賃金上昇率よりも、資本家の資産の増加率が高くなるって事を示した事はなんとなく分かった。お金持ちに累進課税するのは難しそう。低所得者からしたらお金持ちが政治を動かしているようなものだから。人間の欲望と平等を両立させるのは難しそう、自分の感情さえ平静に保つのは難しいのだから。でもいい考えはどこかにきっとある、失敗を繰り返しながら前に進む事を考えたいと思う。社会階層の固定は国の死、世界の死だと思うから。
オードリー・タン 自由への手紙
audible で読了。内容としてはプレジデント社の本と重複する部分が多いが(こちらは生い立ち等は省かれている)、別の言い方をしてる部分もあり、より本人の考えに近づけた様に感じる。とりあえず、本人はスマホを持っていないとの事で、先程メルカリでガラケーを注文しました。公共サービスは一番弱い立場に合わせて、というかマイノリティを切り捨てずに設計する。当たり前なんだけど我々が忘れがちのこと。私が愛するのはホモサピエンスである、と。誰も切り捨てない集団は遺伝分散が無限大に拡張する、つまり可能性も無限大になる。すご
松尾芭蕉: 俳句の世界をひらく (伝記を読もう)
児童図書よみやすい。奥の細道を読み始めたので、背景も知りたくなって読みました。俳句の機微は分からないけど、音はいいなぁと思えるし、その中に詰め込まれた情報量と意味の方向性に興味があります。芭蕉が凄いクリエイターだと思うんだけど、自身も過去の偉人の熱狂的なファンである事に気付かされる。行き倒れを覚悟してまで聖地巡礼をしようと思うのだから。空風に 芭蕉を追って 本歩く。
オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る
audible で読了。台湾の民主主義への思いを聞いて、台湾に行きたくなった。それがこの本を日本で出す意味の一つではあるとは思う、このご時世だからこそ。本人の優しく力強くポジティブな考えが伝わってくる。全然、人間を完全なものとは思っていない、それはご自身の経験からくるものか。しかし、人を諦めるどころか人に希望をもっている。誰も知らない誰もが幸せになる解決策を、誰かがいつか思いつくと信じてる。言葉への感覚も鋭いのでしょう。まず呼び名をポジティブに変えてみる。これはすぐにでも実践できる。
絵を見る技術 名画の構造を読み解く
面白かったし、すぐに美術館に行きたくなった。これ美術の授業でやってくれれば良かったのに。やってくれてたのかな。風流が分からない私からするとこれぐらい、細かく説明してくれたほうが入りやすい。まず、素人は見てるようで観てないっていう指摘は全くもって真っ当だと思った。感性で見ろと思う人もいるかもしれないが、観れていないのだから感性を感じようがない。後半の最後の方はレベルが上がってきてお腹いっぱいになった。とりあえず絵が観たいし、なんなら描きたい。
驚く力
audible で読了。まず、良かった。ただ、本書はメルマガやラジオを取り纏めたということで、話の流れが体系的になっておらず、いい意味でも悪い意味でも話題がとっ散らかしています。また、本独自で使っている単語も定義が曖昧だなと感じます。しかし、その端々に本質的な示唆に富む指摘があり、私の人生観を揺さぶりました。話の向こうにソシュール、ニーチェアドラーや荘子を統合したものを感じさせます、勝手に感じてます。記述に線や付箋を貼りたいと思い、紙の本も購入してしまいました。
精神科医が教える 良質読書
audible で読了。優しい語りで読みやすい。著者自身が読書が苦手で集中力がないと述べているとおり、本自体もこれまで読書習慣が無い人や読書を続けられない人が勇気付けられる内容となっている。ただ、読書に対する深い考察については他の読書についての本のほうがあると感じた。まあ、本人が苦手と言ってるしね。電子書籍で色々な本を同時にチョコチョコ読んだりするのも○、本は他のコンテンツと違って立ち止まったりしやすいよというコメントは僕にとっても勇気づけられた。著者の心理学の本も見たい。
読書力 (岩波新書)
audible で読了。心に刺さったのは、聖書のような絶対的な一冊や絶対的価値観のない現代で、自己形成を支えてくれるのは無数の読書という柱であるということ。その意味ではバランスよく読んで、新しいジャンルにも挑戦していきたいと思った。あと、読書はスポーツであるということ。頭による意識的な学習のみでなく、身体的反復練習が必要という意見に読解力がない私としては納得せざるを得ない。本を読むことは自分を読むことである。
自省録 (岩波文庫)
読んでる途中で涙が溢れてきた。本文を終えて、訳者解説の所で。誰に見せるわけでもなく、自分に湧き上がる様々な感情に対して、綴る赤裸々な言葉。体系的に書かれてもいないので、同じような内容が幾度も出てくる本書に冗長さすら感じていた。予備知識なしで読んだせいでもある。マルクスの子の多くのが夭折した事や愛する妻に先立たれたという記述に触れて、子への執着や死への恐れを諌める言葉も違って見えてきて、心が震えてしまった。