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読書ノート6(オーディブル導入!)
オーディブル導入により、ますます読書的満足感アップ⤴️。スピード的には、目で読む方が早いと思うのですが、お仕事の後に、ごろんと寝転んで読むと、数ページも進まないうちに、お眠りモード…全くページが進まない!
一方で聴く読書は、朝のウォーキング30分、ランチ前の準備2時間、午後の片付け1時間、ディナーの準備と片付け1時間半…と仕事などをしながら5時間も聴けて、1冊およそ3日ペースで終えることができ、かなり読書欲が満たされます。今は99円キャンペーン中だけど、継続するかもなぁ
●ここは全ての夜明け前 間宮改衣
「一人称の小説」とはまた違う、ひとり語りの文章は、読むのになかなか苦戦。物語を追うというより、他人の思考に追随させられるのは、合わない靴を履かされているような違和感を感じるからかも。この思考にピッタリくる人は逆にものすごくはまるかな。積読チャンネルで紹介されていたのですが、この飯田さんのアツい解説がいい。さて、あなたにとって家族とは「呪い」ですか、「絆」ですか?
●蜜蜂と遠雷 恩田陸
ピアノコンテストの話、というのはなんとなく知ってて、プロを目指す若者達の、恋あり苦悩あり涙ありの青春ストーリーかな?と思っていたら、そんな甘っちょろいもんではありませんでした。いい意味で裏切られました!濃密なコンクールの2週間を追体験させてもらっている感じ。そして、彼らが演奏するピアノを表現する、恩田さんの文章の超絶技法。文章から音楽が聞こえてくるように感じるなんて初めて。読み終えて思わず唸った1冊です
●成瀬は天下をとりにいく 宮島未奈
表紙の感じからラノベっぽいのかな、と思っていたけど、ラジ鬱で田中さんが良かったと言っていたので。初のオーディブル読書(聴書?)です。
この小説の良さはやはり、主人公である成瀬ちゃんの魅力。成瀬はマイペースで冷静沈着な女の子。周囲から変わり者と思われている。話が進む中で、成瀬のような女の子が感情を露わにする時ってどんな時なんだろう…と思っていたら、成長とともに彼女らしい感受性がきちんと現れる。ラスト近く、江州音頭で見せた親友への心の動揺は感動的ですらある。多分多くの読者がそうだろうけど、しばらく成瀬口調が抜けなくて困った笑
●サファイア 湊かなえ
こちらもオーディブルにて。朗読者は永作博美。宝石をテーマに「え!」と驚く意外なオチがつく、ちょっとサスペンスチックな短編集。どれもすごく面白かったけど、スズメの恩返しの話、夫殺しにまつわる二人の女性の友情物語、そしてタイトルになったサファイアを軸とした最後の2編がとても良かった。
●赤と青のガウン 彬子女王
三笠宮家のお姫様によるオックスフォード留学記。彬子女王の奮闘ぶり、知られざる学問の府、オックスフォード大学のあれやこれや、皇室育ちであるが故の「へー!」などが満載で、とても面白かった。
●リカバリーカバヒコ 青山美智子
団地の中の小さな公園にある古いカバの乗り物は、困りごとや身体に悪いところがを治してくれる…という都市伝説が。話が進むうちに、ひょっとしてこのカバヒコの仕掛け人ってあの人では…?と思っているとやはり…。
●六人の嘘つきな大学生 朝倉秋成
超人気のIT企業の最終面接に残った学生六人。企業から課されたチームディスカッションで友情が芽生えたかに見えたが、最終面接のお題が突然変更される。友情は、たった一人の内定をかけたデスゲームに⁉︎
●白夜 朝井まかて
絵師を目指す山下りんが、女性でも受け入れられると、ロシア教会で絵を学ぶことになり、聖像画家となるためロシアへ留学する。しかしそこで教授されるイコン絵師としての教えと、自分の描きたい絵とのギャップに苦しむことに。キリスト教というと、ヨーロッパやアメリカのイメージが強かったけれど、ロシア正教における宗教と絵画(ヨーロッパアートとの違い)の考え方、日本におけるロシア教会の歴史が興味深かった。
●ラストラン 角野栄子
自由人イコは74歳にして、かつて楽しんだバイクで、母の故郷岡山に最後のツーリングに出かけることにする。早くに亡くなった母と自分をつなぐのはたった1枚の写真。古い家の窓から5歳くらいの女の子がのぞいている。その家を訪ねようと思い立ったのだ。奇跡的に見つかった家を眺めていると、なんと写真の女の子そっくりの女の子が現れて…「魔女の宅急便」の作者による温かなファンタジー。
●今治タオル奇跡の復活
佐藤可士和 四国タオル協同組合
地域おこしはうちの住む町でも大きな課題。自分たちでも色んなイベントをうったりしているので、地域活性化の話には興味が尽きない。その中でも出身である愛媛の、今治市のタオルブランド化のストーリーは以前から詳しく知りたいと思っていた。個人的には佐藤可士和氏参加の経緯、その後のプロセスが、佐藤側、タオル組合側両方から語られていて、とても面白かった。
●イオンを創った女 評伝小嶋千鶴子 東海友和
岡田呉服店からジャスコ、イオングループを作り上げだ岡田卓也社長を陰で支えた、伝説の姉の姿をその側近が描いた一代記。ジャスコ内に従業員教育の施設(大学)を作ったり、自らも勉強好きだったバイタリティあふれる姿は、読んでるだけでも力がもらえる感じ。
●黄色い家 川上美映子
こちらもラジ鬱・田中さんのおすすめ。この小説、みんなはどんな風に読むのかな。というのも主人公・花の金への執着は、店が大きな借金に苦しんでいた頃の自分にものすごく重なるからだ。生活を守るために、吐きそうになるまで考え、手を尽くし、なのに周囲に同じように危機感を持つものがいない…お金のことを考えすぎて、畳み掛けられるように繰り広げられる自問自答。花が少しずつ病んでいくように、私もストレスで身体を壊した。花の言葉にいちいち頷いてしまう自分がいた…(そういえば、風水もやったなぁ)
●宇宙開発最前線 松浦晋也
実は「ワンチャン生きてる間に月に行けるんじゃないか」と思うようになってから、宇宙ものにはちょっと興味がある。
「夢をつなぐ 宇宙飛行士山崎直子の四〇八八日」
「宇宙へ行くことは地球を知ること 野口聡一・矢野顕子」
に続く宇宙もの。
ロケット開発はイコール弾道間ミサイルの開発、冷戦終結後の変遷、イーロンマスクの登場による外惑星への展開、通信衛星の覇権はそのまま国の覇権、また日本の宇宙開発の障壁(本当に日本政府や政治家って…)等等。全てが理解できたとは言わないが、部分的にわかったところでも随分興味深かった。
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