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読書の秋の読書術〜私流(2)〜

自分にとって面白い本をどうやって見つけるか


文学賞を取った本、話題のベストセラー、最近では本屋で働く方の選んだ本屋大賞を受賞した本…魅力的な本はたくさんありますが、それが自分にとって面白いかどうかはまた別だったりします。

ということで、私流の探し方。

ドラマや映画の原作を読む

いいなと思ったドラマや映画の原作は、元々面白かったものを小説で追体験するのでハズレなし。内容を深められたり、映像化されたものと原作と、違いがあったりするのも面白い。そこからその作家さんの別の作品へと広げられたりする。

高校の時に好きだった「戦場のメリークリスマス」。原作「影の獄にて」では、デビットボウイ 演じるジャックセリアズが、捕虜を切り捨てようとしたヨノイ大尉(坂本龍一)にビズをするあの名シーンが、鮮やかに描写されていて、大島渚監督の力量に、学生ながら感銘を受けました。

スティーブン・キングを知ったのは映画「デッドゾーン」から。これをきっかけにただのホラーではない、人間の業を描くキング小説の魅力に取り憑かれてしまいました。

ツバキ文具店(小川糸)
龍の耳を君に(丸山正樹)

この二つはNHKのドラマから。「ツバキ文具店」はドラマのキラキラした感じが、そのまま小説に。続編も読みました。「龍の耳を君に」は、草彅くん主演で、聾の親を持つ聞こえる子供の葛藤と、犯罪ミステリーが見応えあったドラマ。丸山さんは奥さんを介護をしている経験から、社会で弱い立場に陥りがちな人々の出来事を掬い上げる小説を多く書いています。

好きな作家が好きな作家の本を読む

すでに好きな作家さんがいれば、その作家さんの好きな作家、影響を受けた本を読むのも一つ。好きな作家さんの背景が理解できたり、元々好きな作家さんの好きな本は、テイストに共通するものがあって入りやすい可能性が高い。

ジョン・アービングを読むようになったのは、もちろん、村上春樹から。「作家名 インタビュー」で検索してもいいですが、下記のWEBページ「作家の読書道」では日本の名だたる作家さんの読書歴が語られていて、いろんな書名が挙げられているのでおすすめ。

※最近も、このインタビューで原田ひ香さんが「こんな小説を書きたい」と挙げていた有吉佐和子の「青い壺」を読みました(面白かった!)

テレビで気になった人やキーワードで探す・参考文献から気になる本を読む

主にノンフィクションの場合。テレビのニュースで気になったキーワードから、それについての本を検索してみる。気になったコメンテーターの人がいれば、その方が書かれた本を探す。

通訳者・鳥飼玖美子さん(歴史をかえた誤訳)、ジャーナリスト・堤未果さん(ルポ食が壊れる)は、たまたまお二人とも、テレビで見て。考え方に惹かれる方が書いた本は、中身も面白いことが多い。

またノンフィクションは、その本が書かれるにあたっての参考文献リストが巻末にあるので、そこからまた興味ある本を探すのもおすすめ。

「ゆる言語学ラジオ」「積読チャンネル」を見る

どちらもYouTubeの番組。「ゆる言語学ラジオ」は、言語に関するちょっとオタクな番組で、言葉に関する興味ある話題やそれに関する本が紹介されています(今井むつみ先生の本を買いました)。最近本人たちも本を出しています。

「積読チャンネル」はゆる言語から派生したチャンネル。プロの選書家でもあった飯田さん(バリューブックス勤務)が、ちょうどいい斜めな角度からの良書を紹介してくれます。(一人出版社「夏葉社」を立ち上げた島田さんの本を購入)

YouTubeほかSNSには、たくさんの書籍紹介ものがあるので、自分に合うインフルエンサーさんを探すのもいいですね!

ということで、引き続き読書の秋をエンジョイします!

読書の秋の読書術〜私流(1)〜はこちら

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