10のコミュニティに10人ずつ友達で100人が理想
2015年頃からいろいろと課外活動を始めまして。
最初は業務の横の繋がり作れればと思って始めたんですが、その後「プレゼンスキルを学ぶ場は多いけど、そもそも話すの苦手なんですっていう人が喋る練習できる場がなさすぎる!」っていうことで失敗可能なプレゼン練習会始めたり、「ラジオ好きな人って探すと結構いるのに潜伏しすぎててわからん!」っていうことでラジオ好きで集まってその様子を発信する取組みを始めたり、「日本には今褒めが足りない!」ってことで褒めまくる会始めたり、「ZOOMこんなに浸透してきたのに、みんなオフラインの時よりも緊張してる!」ってことでZOOMで積極的に食事する党を結党したり…これまでいろいろやってきました。
思いのままにやりたことをノーリスク・スモールスタートでやりまくっていたら、気づけば結構な数のコミュニティやイベントを運営することになっていて。すると聞かれるんですよね「なんでそんなにいろいろやるんですか?」と。
今回はその辺について。
10のコミュニティに10人ずつ友達で100人が理想
一度、自分のこういった活動を振り返る機会をもらった際にじっくり考えた結論がこれです。子どもの時に歌った「ともだち100人できるかな♪」って歌。仮にともだちの上限が100人だった場合、そのすべてを1つのコミュニティで賄うのって危険すぎると思うんです。
かつて、いわゆる「昭和的」なモーレツサラリーマンだった僕らの先輩世代は、公私の全てを仕事に捧げ、定年を迎えると一回リセットされてしまうような感じでしたよね(今ではその危険性がかなり大きく叫ばれていますよね)。それが日本の急成長を支えたことには大きく感謝しながらも、僕らはそれをどう回避していくかを考えなければいけないと思うんです。
そこへの1つの回答として、10のコミュニティに10人ずつ友達で100人が理想と言っていて。つまり属するコミュニティの分散ですね。新しくコミュニティ(便宜上、コミュAとします)に参加して上手く打ち解けた時「コミュA最高!超楽しい!」ってなりますよね。それ自体は大変素晴らしいことなんですが、残念ながらそのコミュニティがあなたにとって一生ステキなものであり続ける可能性ってあまり高くはありません。というか低いです。ほぼ無理だと思います。年月を重ねていくうちに、方向性が変わったり、メンバーが変わったり、時代が変わったり…変わらないことの方が難しくて。そういった不確定要素は、確実に自分との距離感や感じ方にも齟齬を生じさせてしまうものです。
これって、諸行無常とも言える、遥か何百年も前からずっと人間が気づいていた1つの真実で。別にことさらそれをネガティブに考える必要ないと思うんです。そりゃそうだよなって思うべきであって。
でも、そう思えない瞬間がある。それは、自分が属するコミュニティがそれ1つだけだった時です。これはキツいですね。自分の拠り所を失う、極端に言えば自分という存在そのものを否定されたように感じてしまうかもしれません。そうなってしまうと心身共にダメージが大きすぎてしまいます。
それを避けるために、僕は「10のコミュニティに10人ずつ友達で100人が理想」を提唱しています。
1つのコミュニティが「今自分と合わないな」と思ったら、しばらくそことは距離を置けばいい。今は他のコミュニティ(便宜上コミュBとします)に力を注いでそこで楽しくやればいい。ここでポイントなのは、コミュAも辞める必要はない、むしろ辞めるべきではないということです。今楽しいコミュBも、コミュA同様合わなくなるタイミングがほぼ必ずやってきます。そういう時に逃げられるコミュAが必要なんです。
時間というのは本当に偉大なもので、あの時あんなにも「もう合わない」と思ったコミュAも時間が経過したらまた合う感じになっていた…こんなこといくらでもあります。ちなみに、1つしかない場合、コミュAと上手くいかなくなったタイミングで決定的に断絶してしまうことが多いんですよね。そうなるともう戻れない。その前に平行してコミュBにも所属しておくことで、やめるまでいかずに距離を置くことができると思うんです。
とは言え「コミュニティ10個なんて私には無理、そんなに友達多くないし…」と言われてしまうことも多いですし、その意見もとってもよくわかります。でも考えてみてください
・家族
・地元の友人(中学)
・地元の友人(高校)
・大学の友人
・部活の友人
・職場の人たち
これだけでも6個です。人によってはもっと細分化も可能だと思うんですよね。こういうのも含んで考えたら、10までいかなくても7~8個くらいは思い浮かべることできるんじゃないでしょうか。そこに、これからの人生で2~3個足していこうという目標であれば、比較的現実味が見えてくるんじゃないかなと思うんです。
課外活動をやっていると楽しいことばかりではなくて。ものすごく高い理想を抱えて何かの活動にジョインし、最初は活発だったのにどこかでギャップを感じて心折れてしまい、最終的にはその活動自体が嫌になってしまうというようなケースも結構見かけます。もちろんそれもそれでその人の人生ですが、せっかくやる気になった人がそういう風に傷ついていくのって、見ている側としてもやっぱり悲しいものですよね。
できればそうなる前にいくつかのコミュニティに自分を属させてみて、1つに強依存することなくバランスよく楽しんでみることをお勧めします。その時々で今の自分と合うところに力を入れるというのでいいんじゃないかなと。
ワークライフバランスが提唱され始めて随分たちますが、コミュニティについても「A community」ではなく「Communities」にしていく、そしてその中でのバランスを模索していく必要があるんじゃないかなと。もちろん仕事もその1つとして考えていくべきだと思いますし、他のコミュニティがあることでの仕事への(ポジティブな)波及だってあるはず。せっかくやるならそれがマイナスになるのはもったいないですから、いかにプラスにしていくかを考えていきたいところですよね。