コザカナ カルシウム

好きなドラマ:「アフリカの夜」「ランデヴー」「王様のレストラン」「ママハハブギ」「うち…

コザカナ カルシウム

好きなドラマ:「アフリカの夜」「ランデヴー」「王様のレストラン」「ママハハブギ」「うちの子にかぎって2」 シナリオセンター通信講座作家集団。不惑の年を4年過ぎても、あがきながら生きている。

最近の記事

宮原昭夫著「書く人はここで躓く!」×岡田惠和ドラマ「ランデヴー」

陥りやすい失敗例を挙げることで 物語を書くことの本質を突くマニュアル本。 けれど、決してHOW TO本ではなく、 むしろ思想本なんだな、これ。 この本を読んで、 岡田惠和脚本ドラマ「ランデヴー」の 何がおもしろいのか、 私は何が好きなのか言葉にする。 「ランデヴー」は 34才既婚者の田中美佐子が 20代の柏原崇を100万円で買う疑似恋人の話と、 田中美佐子と桃井かおりのシスターフッドが2本柱。 でも、田中美佐子と柏原崇、桃井かおりとの関係だけじゃなくって、 「柏原崇と桃

    • 硝子・ランプ・ハスカップ

      その2はこちら↓ 小樽文学館を出発。 北のウォール街の坂を上り、喫茶「あまとう」のマロンコロンを食べに向かったのだが… 残念ながら定休日! 平日の観光地は空いているが、定休日の店が多いのが難点だ。 気を取り直して、 北一硝子で喫茶することにした。 せっかくなので、近くの商店街を通ることに。 銀座ライオンが店を構えている 地元民のための商店街だった。 おたる都通り商店街を抜けると 寿司屋通りに合流。 その名の通り両手に寿司屋が軒を連ねる。 観光客向けの寿司屋前には大きな観

      • 小樽ー斜陽から観光地へ

        小樽旅の目的は、サカナクション山口一郎の聖地巡礼。 実家と一郎さんのギターが展示された小樽文学館へ行くことだった。 半身揚げの「なると」を出発した私達は、 小樽運河へと向かう。 実はここも聖地巡礼の一つ なぜなら一郎さんの父、保さんが保存運動に関わったりしていたとのこと。 今でこそ、観光地小樽の有名スポットだけれど、 ニシン漁が斜陽産業となった70年代には運河を埋め立てて幹線道路を作る動きがあったらしい。 そう考えると保さんは観光立国を予想していたわけで、先見の明がある。

        • 村井理子著「いらねえけどありがとう」は言葉のチョイスがドメスティック

          家事子育て仕事に忙しい女性のための指南書。 村井さんの文章は、凡庸な教訓から、突如、脳を揺さぶられるほどドメスティック名詞が飛んでくるのが面白い。 挑戦を恐れるな 古い物にしがみつくな 無洗米の奇跡を忘れるな! プロローグ、このフレーズに心を捕まれ 一気に読了。 同様に… 完璧な母、完璧な主婦なんて、もういいのだ。 私は自分自身のために、完璧に楽しい人生を送ることを目指す。 【完璧な】母というネガティブな形容詞を 【完璧に】楽しいという副詞に変身させ かつ、普

        宮原昭夫著「書く人はここで躓く!」×岡田惠和ドラマ「ランデヴー」

          ガラス細工のごと透明な空気の小樽旅行

          かつて鰊で栄えた小樽 浮き球の技法を生かしたガラス細工で有名な町だ 札幌から鈍行で一時間弱 車窓一面に広がる日本海を見ながら小樽駅へと到着した。 窓一面に規則的に並んだガラスランプが印象的な駅。 予想した以上に観光客が多い。 朝食を食べずに出発した私達家族が訪れたのは、 駅に隣接する三角市場。 まだ10時だというのに、狭い通路は観光客でいっぱいだ。 ガイドブックに載っている「滝波食堂」へ向かったが、20分待ちだという。仕方なく、すぐに入店できる店へ。 とはいえ、さすが港町

          ガラス細工のごと透明な空気の小樽旅行

          竹内結子へ捧ぐ映画「おいハンサム!!」

          映画のクライマックスで源太郎は 「ふつうに生きなさい」 「生き続けなさい」 と伝える。 BGMはサラ・ヴォーンの「ラヴァーズコンチェルト」―そう、山口雅俊監督プロデュース・竹内結子主演「不機嫌なジーン」のメインテーマだ。 「竹内結子に捧げる」という言葉が腑に落ちた。 断っておくけど、これは表面的な話ではない。 このドラマって支離滅裂に話がとんでいくように見えて、 源太郎がクライマックスに宣うハンサムに集約されている。 つまり、この映画は「ふつうに生きなさい」「生き続けなさい

          竹内結子へ捧ぐ映画「おいハンサム!!」

          「レペゼン母」~家族の沼から抜け出すという希望

          借金に麻薬、高校生でデキ婚したのに離婚、一念発起して町長選挙に立候補するも落選して失踪… 破天荒な息子(雄大)に振り回され、悩んできた明子が、息子とラップバトルで対話し、家族の沼から抜け出す話だった。 NHKドラマ「お別れホスピタル」で、家族というのもは「近しい人だから抜け出せない、かえって傷つける”沼”」と表現していた。 ホント、家族って厄介。 母である明子は、亡き夫が残した梅農園を維持しなくてはいけないと切り盛りしてきたのに、思春期には食事も一緒にとろうとせず、高校

          「レペゼン母」~家族の沼から抜け出すという希望

          名前のない関係性がいい~「光のとこにいてね」①

          小説が好きじゃない。 いや、正確には好きじゃなかった。 聴覚優位な私には、字面を追って内容を理解するという一手間が苦手だった。 なのに…である。 Amazonオーディブルという画期的な発明で 聴覚優位者でも気軽に小説を楽しめるようになり、 むしろ今では聞くよりも紙面上の文字を物理的に味わいたいとまで思うようになった。 …と、前置きはここまでで。 何気なく読んだ一穂ミチ「月を経る」(小説新潮2024年2月号)。 「人生の締め切り」「閉経」などのテーマや、オープンエンドの余

          名前のない関係性がいい~「光のとこにいてね」①

          小津映画バリの間が味わえる冬ドラマ「春になったら」

          何で1日24時間しかないんだろう…36時間あったらもっとドラマが観られるのに。というわけで、2024年冬ドラマを観続けるものと離脱するものに仕分けしてみた。今回はオススメ編。 「春になったら」オープニングで如何にヒキを作るかにかけている最近のドラマに対して木下惠介の時代から脈々と続くキチンと舞台を見せる手法で逆に新しかった。 高層マンションと昔ながらの下町が同居する佃の町…その昔ながらの長屋風一軒家のポストに年賀状の束が届く。 う~ん、なんて風情がある始まり…と浸っていたら

          小津映画バリの間が味わえる冬ドラマ「春になったら」

          日曜ドラマ「何曜日に生まれたの」のタイトルって!?

          テレ朝の新設ドラマ枠(といっても2つめだけど)「何曜日に生まれたの」 「日曜の夜くらいは」の岡田惠和脚本からの野島伸司!大御所枠なのか!? 久しぶりに野島伸司のドラマを観たけど、野島伸司要素が満載だった。引きこもりの主人公飯豊まりえの闇は、まさに野島伸司。 ・高校生の時のバイク事故で運転していた男子が死亡(二話見たら死んでなかった!) ・その子がいないために、強豪サッカー部が大事な試合で早々負けてしまう ・マネージャーだったまりえはそのため高校でいじめられる 野島伸司

          日曜ドラマ「何曜日に生まれたの」のタイトルって!?

          2023年春ドラマ、何を観て何を観ないか~つい観ちゃう編

          新ドラマが出揃ってきた。 今クールのドラマは、何を観るか決断しがたい。 微妙だなぁと思っても、つい観ちゃうドラマもいくつかある。 ということで、絶対に観ると、つい観ちゃうに分けて紹介します。 今回はつい観ちゃう編です! つい観ちゃうドラマ火曜日「unknown」あなたの隣でも吸血鬼が普通に生活している……そんな世界での話。 ポイントは普通にということ。 吸血鬼であるこころ(高畑充希)が、婚約者の虎松(田中圭)に打ち明けても案外すんなり受けいれられる。ルパンの娘みたいに隠す

          2023年春ドラマ、何を観て何を観ないか~つい観ちゃう編

          2023年春ドラマ、何を観て何を観ないか

          新ドラマが出揃ってきた。 今クールのドラマは、何を観るか決断しがたい。 微妙だなぁと思っても、つい観ちゃうドラマもいくつかある。 ということで、絶対に観ると、つい観ちゃうに分けて紹介します。 絶対に観る新ドラマ月曜日「風間公親 教場0」スペシャルドラマで放送された「教場」のエピソード0。風間公親が現場にいた頃の話のようだ。 始めに観た時に赤楚衛二が新人役だったので、風間教官の目の傷は赤楚衛二を助けるために負ったのか?とか、赤楚衛二は「ペンディングトレイン」も出ているのに忙し

          2023年春ドラマ、何を観て何を観ないか

          ついに最終回…ドラマ「星降る夜に」~いつでも誰の前にも、道は開かれている

          大石静さん脚本ドラマ「星降る夜に」が終わってしまった。  第9回は、佐々木深夜(ディーンフジオカ)が妻と子供の遺品整理する話だった。10年間放置してきた家……にもかかわらず綺麗なのは、時々深夜が窓を開けて風を通し掃除して来たから。そのたびに、過去に向き合い、過去に目を背け……辛かっただろう。深夜の口から語られる良い思い出さえ切ない。  第8回では「僕が医者になろうと思ったのは多分復讐のため」と、強烈なくさびを打ち込む。「復讐ってなに?」と思っていたら「妻がなぜ死んだか真実

          ついに最終回…ドラマ「星降る夜に」~いつでも誰の前にも、道は開かれている

          吉高さんの「ち、ちっがうの!」がクセに……ドラマ「星降る夜に」第8話は愛が溢れている

          火曜ドラマ「星降る夜に」 https://www.tv-asahi.co.jp/hoshifuru_yoruni/ 脚本は大石静さん 今週は第8回、雪宮鈴(吉高由里子)が古傷の象徴である伴(ムロツヨシ)と対峙。 柊一星(北村匠)や佐々木深夜(ディーン)だけでなく、みんなから支えられ愛を与えられてきたから、鈴は向き合えた。 しかし、鈴は愛を与えられるだけでなく与えている。 今回一番好きだったのは、心筋梗塞で倒れた一星の祖母を助けた佐々木にお礼を言うシーン。感謝したあ

          吉高さんの「ち、ちっがうの!」がクセに……ドラマ「星降る夜に」第8話は愛が溢れている

          チネリ米だなんて…大石静さんにしか書けない台詞の宝庫~ドラマ「星降る夜に」#7の何気ないシーンの珠玉セリフ

          今クールのイチオシ、 火曜ドラマ「星降る夜に」 https://www.tv-asahi.co.jp/hoshifuru_yoruni/ 脚本は大石静さん 昨晩は第7回が放送された。 伴宗一郎(ムロツヨシ)がマロニエ産婦人科にまで押しかけ、暴れまくる……鈴が古傷と向き合う日も近づいてきた。 と……そんなシリアスな場面も多い回だったのだが…… 一番好きなのは、麻里奈の彼氏の家に鈴が押しかけるシーン。マロニエ産婦人科の仲間が予定外に妊娠してしまった麻里奈のために話をつけ

          チネリ米だなんて…大石静さんにしか書けない台詞の宝庫~ドラマ「星降る夜に」#7の何気ないシーンの珠玉セリフ

          バカリズム脚本「ブラッシュアップライフ」と「殺意の道程」を平行視聴して~日常と非日常のバランス

          「ブラッシュアップライフ」が熱い!! 私の一日はドラマに始まりドラマで終わる。寝る前にスマホでドラマを観るのが幸せなルーティーン。昨夜、ブラッシュアップライフの脚本家バカリズムの「殺意の道程」を見終わった。 平行視聴してみて、バカリズムドラマの特徴は ○笑いとシリアスの対比 ○日常と非日常のバランス だと思う 笑いとシリアスの対比についてはこちら↓ 日常と非日常のバランスバカリズムの面白さは日常と非日常の絶妙なバランスだと思う。 「ブラッシュアップライフ」は、設

          バカリズム脚本「ブラッシュアップライフ」と「殺意の道程」を平行視聴して~日常と非日常のバランス