コミュニケーションが生まれる場をつくる 干支(寅)行灯制作チーム「岐阜県美術館アートコミュニケーター 〜ながラー」
「地域資源」って何だろう?
あなたは今何が浮かびましたか?
私は「美濃和紙」、この地域の伝統的なものが浮かんできました。
地域資源、それは観光や文化、伝統など、特定の地域に存在する特徴的な資源のことです。
アートコミュニケーター「~ながラー」の実践ゼミの1つとして、今年は「こよみのよぶね」の干支(寅)を制作することになりました。
基礎ゼミを終えて、このゼミを選択した~ながラーに日比野克彦館長が語り始めました。
「地域資源は”人”なんだ」
世の中で語られる地域資源とよばれるものを作っているのは誰なのか、それは人です。
美濃和紙を作っている過程は見えないものだけれど、一枚の和紙ができるまでには何人もの人が関わり繋がっている。
「地域資源は人」ということを考えることから今年の「~ながラー」のこよみのよぶねが始まりました。
今年は寅年、虎を作ってもらいます。
デザインはゼミ参加者が各自考え、みんなの前でアイデアを交流しました。
そこでの交流を踏まえ、もう一度自分のアイデアを練り直しデザインを考えます。
3種のデザインが選ばれ、その中から日比野館長に選ばれたのが、岩から降り立つ虎です。
大垣出身の画家、大橋翠石の虎図から出てきたような躍動感です!
昨年制作した丑(牛)についていた乳を持ち帰り保管していた職員さん。
今年の寅の肉球はこの乳も使われているそうです。
ワークショップを開催し、来てくれた方と一緒に虎を作り上げていきます。
会場には招き猫のように、小さくてカラフルな虎が迎えてくれました。
~ながラーが作ったミニ虎には名前が書かれた紙が貼ってあるのですが……
「ここは私が作ったよ」というしるしだそうです。素敵なアイデア!
このミニ虎も当日船に乗ってほしいですね。
会場には歴代の干支行灯の写真が飾ってあります。
美術館に来た人たちが写真を見ていると、~ながラーが声をかけて説明を始めます。まさにコミュニケーションが生まれていました。
制作はものを作るだけではなく、場も作っていくのですね。
いろいろな参加方法があるのが「こよみのよぶね」なのです。
この虎に目を描きいれるのは岐阜県美術館の館長であり、こよみのよぶね総合プロデューサーの日比野克彦さん。
虎には名前がつけられるそうで、名前からイメージした目を日比野館長が描きます。
12月21日の15時からだそうです。
どんな目が入るのか、あなたも目撃者になりませんか?