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全てはグラデーションの中に

少し前にこんなツイートをした。

やっぱり読書の力は大きいと思う。
本の中の人物は、私には思いもよらない発想をすることがあるし、経験したことのない感情だってそこにはある。
(だいぶ後になってその感情を実感として理解することがあって、そういうことも読書の醍醐味だ。)


本を読んでいたり、アートや音楽に触れていると、喜怒哀楽では説明できない、「なんだこれは」という状態になることがある。

価値観がぐらぐらと揺れて、当たり前だと思っていたことが剝がされてわけがわからなくなる瞬間。

その瞬間こそが大事なのではないだろうか。


何かの展示会でみかけた養老孟司さんの言葉なのだが、『現代人は「これは、○○です」と言われると安心する』のだそうだ。
「なんだ、これは」のままではいられない、と。

小説家の村上春樹さんも、以下のようにいっている。

やっぱりこうして言葉を生業にしている人に的確な言葉で表現してもらうと安心してしまうのだけど。


昔ピアノの先生にも「余白の音楽を感じて。音の前にも、最後の一音が鳴りやんだ静寂にも音楽があるから」と言ってもらったことがある。(とっても素敵な言葉でずっと大切にしている)


感情や、言葉と言葉の間には何もないわけじゃない。
余白の、グラデーションの中に多くのことが潜んでいる。

それをひとつひとつ拾い上げてきた人はやっぱり、他の人のグラデーションにも気づくのかもしれない。


意味はよく分からない、意味なんてないかもしれないけど、心が惹かれる。
目が離せなくて、目をそむけたくなる。

美しくて訳のわからない説明しきれないことが世界にたくさんあってもいいとおもう。



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